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韓国スタートアップの来日が増えてきた

先週、韓国のスタートアップで、自国と中国と日本の東アジアでビジネスを展開し始めている起業家と会いました。最先端のテクノロジーというよりも、大雪が降った次の日に、空き地に積もった雪を、誰も対応しないので、率先して雪かきして、世の中の役に立っている、そんなビジネスでした。一言で言えばニッチです。でも急激に売上が伸びているそうで、その意味がよくわかりました。

昨年から、様々なルーツを通じて、韓国のスタートアップから僕のところに連絡があり、ミーティングをしています。大抵は、ソウル大学とか韓国科学技術院、あるいはサムスンの卒業生です。プロフィールを見るとピッカピカです。韓国政府や日本政府の後押しがあって日本の進出を狙っているのだと思います。

「なぜ、若くて優秀な韓国の起業家が日本市場をターゲットの一つとして設定しているのか?」
そんなシンプルな質問を僕は韓国スタートアップの方々に会うたびに投げかけます。その答えは、たいてい共通しています。
「もちろん米国で勝負したいが、そのワイルドさに立ち向かって行けるか不安。一方、中国市場は、いろんな意味でビジネスをしていくのが困難。(注:僕が会う韓国スタートアップはデジタルマーケティング関連企業が多い)それを考えると選択肢として日本が上がってくる。」

合理的な判断だと思います。もちろん、彼等も日本に進出するにあたって、歴史的な背景、商習慣の違い、文化ギャップや価値観の違いで、彼の地でビジネスを拡大するには大きな困難が伴うだろう、ということは理解していると思います。それでも、やはり、スタートアップの成功には大きな市場が必要なんですね。

同じタイミングで、たまたま、ユン大統領が、韓国の公的年金が30年後に積立金枯渇する、というアナウンスをしていてびっくりしました。主な要因は少子化による財源の不足です。


こういう状況下で、韓国国内だけで、ビジネスを大きくしてゆく絵を描こうとするには無理があります。閉じられたフィールドで、利益を得ようとするとババ抜きのようなゼロサムゲームが起きます。だから、開かれた市場へ目線を向ける必要があると韓国のスタートアップの若人は決意しているのだと思います。そして、もちろん、日本も一緒です。日本の若い人たちが、ルールが違い、混沌とした海外市場でやっていける知恵とスキルとネットワークを身につけてチャレンジしていくことが必要です。

アジアで各国の起業家がつながり、大きな市場を創造する日を夢見て、日本に参入してくる韓国スタートアップも支援していこうと考えています。



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