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英国の大学のサステナビリティコミュニケーションのオンラインコース受講しました

The London school of Economics and Political Scienceのサステナビリティコミュニケーションに関するオンラインコースを受講し、無事終了しました。
コミュニケーション分野で働く若い人が学ぶのにぴったりだと思います。僕の経験をぜひ参考にしていただければと思います。 

講座名は、"Sustainability Communication Strategies" というコースで、3週間にわたって3つのモジュールを設定し、受講者に、いくつかのフレームワークを提供し、サステナビリティー関連の情報を企業が情報発信する際の指針を示してくれる内容でした。ディスカッションルームも設定されていて、同じタイミングで受講を始めた世界各国の受講者から、講義に関する意見が交換されました。たくさんの人が積極的に自分の実務に関する事例を紹介して、提供されたフレームワークにあてはめて発表していて理解を深めるのに大変役立ちました。

受講後の僕の評価は”大満足”です。金額は500ポンドと安くはありませんが、その金額に値する知識を得たと思います。簡単に感想を述べます。

①日本では、気候変動問題が欧米ほど、認知され、社会問題としてクローズアップされていないため、この問題に関するコミュニケーション活動の事例も少ないためか、LSEが提供してくれるようなプログラムが見当たりません。自分のビジネスに関連する最先端の情報が学べてありがたかったです。

②サステナビリティコミュニケーションとは、オーディエンス(情報の受け手)を会話を継続的に行うパートナーとして位置付けるべきだ、という提言をしていたのが印象的でした。企業の気候変動問題に対する取り組みは、複雑で、面倒で、場合によっては触れられたくない領域にもつながってくるため、No communication, no risk (コミュニケーションしなければリスクがない)という態度に陥りだけれども、そうではなく、情報やメッセージを発信し、それらを受け取った受け手が、仮にネガティブに反応した場合には、会話を続け、場合によっては、彼らの指摘に真摯に受け止め、自社の取り組み自体を変えていくようなスタンスが重要だと言ってました。日本人、日本企業からすると、かなり大胆なメッセージだと思いました。

③最後のプログラムでは、環境団体の活動家のインタビューになっていて、
彼らが、企業内のサステナビリティ・コミュニケーターがアクティビストになって企業の気候変動に関する取り組みを革新していくべきだ、と言っていて、これにも、びっくりしました。そして活動家の一人が言ってたのは「サステナビリティコミュニケーションを理想的な形できちんとできている企業がどこもなく、強いてあげればパタゴニアくらい」とのこと。こちらもやや驚きました。

この学びを通じて、資本主義の行き詰まりと、それに影響されて企業の利益を追求するあまりに、マーケティングのダークサイドの部分が露見してくる中、それに嫌気がさした消費者とどうやって、企業は信頼を取り戻すか?という点で、サステナビリティコミュニケーションという注目されているのがよくわかりました。
ヨーロッパの他の複数の大学で、この領域のオンラインコースがあるようなので、受講していこうと思います。知識を深め、学んだことを日本の文脈で捉え直して自分のお客さんに伝えていこうと思います。気候変動問題に関心のあってその領域のコミュニケーション手法に関心のある若い人は、今から学んでおくと、大変お得だと思います。きっと数年後に、日本でも話題になる学問です。

 


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