ぼくが南国に住みたいわけ
当人はわりと真剣だけど、他の人にとっては「え、それだけの理由で?」ということって結構あるよね。
ぼくがジャカルタで働いていた理由、次の職場に沖縄を選んだ理由も、それだ。
「なんでジャカルタなの?」
と聞かれた時、いつも冗談めかして
「南国に住みたかったから」
と答えていたが、ぼくにとってはかなり切実な理由だった。
「南国に住みたい」と言っても「バカンス気分を味わいたい!」という意味ではなくて(それも少しはあったけれど)、より厳密にいうと「年中、湿度の高い場所に住みたい」という意味だ。
なぜなら、ぼくはアトピーだからだ。
アトピー、ものすごくシンプルにいうと、超絶乾燥肌なのだ。
ぼくはそこまで症状が重い方ではないと思うけど、それでも乾燥する季節(冬、春)には毎日強めの薬を塗っていた。汚い話だけどフケが出たり、顔が真っ赤になったりして、冬は気持ちが沈みがちだった。
反対に、夏は調子が良かった。市販の保湿剤でも乗り切れるくらい肌の調子が良かった。
じゃあ、常夏の国に住めばいいじゃん。そう考えたわけだ。
そんな単純な、でもぼくにとっては至極真剣な理由でインドネシア行きを決意した。
ジャカルタに引っ越してからは、1回もステロイドは塗らなかった。
つまり、ぼくの思惑通り、とても肌の調子が良かった。
もちろん、肌が弱いからあせもは頻繁にできたし、衛生状態が悪いからか謎の湿疹も定期的に出たりした。とはいえ、東京の冬や春の乾燥に比べたら何億倍もマシだった。
「アトピーが治った」は言い過ぎだけど、ちょっと肌が荒れ気味の人くらいにはよくなっていた。
本帰国後もこの状態は続いていて、今のところ、バリ島から持ち帰ったココナツオイルでなんとか乗り切れている。まあ、これから湿度の高い季節になるから、あまり心配していない。
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