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オートリクシャーの相場

バスや電車などの公共交通機関が発達しているチェンナイだが、手軽な市民の足として最も人気が高いのがオートリクシャーだ。

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小さな乗り物なので遠くまでは行けないが、歩くには少し面倒臭いくらいの距離を移動するときに重宝される。
オートリクシャーには乗り合いとチャーター、2通りの利用方法がある。


乗り合いの場合

乗り合いのメリットは、とにかく安いこと。
2〜3kmで10ルピー(15円)くらい。
デメリットは、目的地にピンポイントで停まるわけではないことと、限界を超えて客を乗せるため、ぎゅうぎゅうで乗り心地が悪い時もあるということ。

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実は後部座席は2列になっていて、収容人数は意外と多い。

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↑上から見た図

運転手も含めて7名くらいが適正な乗車人数なのだが…

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こういう時もある。
イラストの通り、両端の人間は車外に体がはみ出しているので、振り落とされないようにしっかりと何かに掴まっておく必要がある。
また、インドは車間距離が異常に狭いので、脇をすり抜けるバイクや車に体をぶつけないように注意しないといけない。
むしろ歩いた方が楽だったのではないか、と思うこともある。


チャーターの場合

実は、ここからが本題。
ちょっと長くなる。

先日、道端でバスを待っていたら、オートリクシャーがそばに停まった。
おじさんが「乗っていけよ!」と客引きをしてくる。

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ぼくはまだオートリクシャーをチャーターしたことがなかったので、相場を確認する意味合いも込めて、乗ってみることにした。
チャーターの場合は、乗る前に値段交渉をする必要がある。
事前にちゃんと確認しておかないと、後で法外な額を要求されるかもしれないからだ。
インドに限らず、外国人観光客が多い地域では、そういうトラブルはよくある。

ぼくはドライバーに目的地を告げた。
目的地までの距離は12km。
ぼくが「How much?」と問いかけると、彼も「How much?」と問い返してくる。
自分から先に値段を提示しない、というのが交渉の基本だが、残念なことにぼくは相場が全く分からない。
ぼくの困惑した様子を見て、彼は「200ルピー(300円)でどうだ」と言ってきた。
意外と安くて、ぼくは驚いた。
てっきり最初はふっかけられると思っていたのだが、おそらくローカルの価格と変わらないくらいだろう。

一応交渉めいたことをやってみたかったので、「200ルピーかぁ。150ルピーはどう?」と掛け合ってみた。
すると、彼は「それじゃあ、ご飯を食べていけないよ〜」と情けに訴えかけてくる。
もとから200ルピーで十分だと思っていたので、変に粘ることはせず、あっさりと彼の言い値を受け入れた。

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さて、問題は、この200ルピーが適正かどうかという話である。
個人的には、こちらが彼らと比べて経済的に恵まれた立場にいる以上、現地の相場より多めに支払うことは多少ならば気にしないし、それがスマートだと思っている。
ただ、今後のためにも一応の尺度を知っておきたい。

乗り合いの場合は、2〜3kmで10ルピーが相場だった。
単純に距離で計算すると、今回は50ルピーくらいが適正だということになる。
しかし、それはあくまでも乗り合いの話。

チャーターの場合は、目的地に着くまで他の客を乗せることができない。
そのため、チャーターをしている人が、数人分の運賃をまとめて支払う必要がある。
平均して4人が乗り合わせているはずだったと考えると、
50ルピー×4人=200ルピー
となるので、最初の提示価格はかなり良心的だったのではないか、と思えてくる。

客観的に相場を確かめる方法もある。

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Ola(オラ)

インドで広く使用されている配車アプリだ。
このアプリでは、出発地と目的地を入力すれば、事前に運賃が表示されるシステムになっている。
インド人から広く支持されているアプリなので、ここで表示される金額が相場と捉えていいだろう。
配車したい車両は、乗用車、オートリクシャー、バイクなどから選ぶことができる。
家に帰ってから、実際に乗車していたルートをOlaで検索してみた。

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どん。
なんと、まさかの200ルピー

ということは、おじさんが最初に提示した金額は適正価格どころか、限界の値段だったということになる。
誠実というか、商売っ気がないというか。
その時は知らなかったとはいえ、「150ルピーは?」なんて言ったことが恥ずかしくなってくる。
交渉のときに変に粘らなくて良かった。

チェンナイに来てから1ヶ月が過ぎたが、いまだに強引な客引きや、ぼったくりのようなものには遭遇していない。
それどころか、現地の人たちからは優しくしてもらっていて、本当に感謝でいっぱいだ。


まとめ①

チェンナイでオートリクシャーをチャーターするときは、
10km=200ルピー
が一つの目安になる。

まとめ②

チェンナイは、「外国人からぼったくってやろう」と考えている人が少なく、誠実な人が多い。

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