『労働=13万円』『無欲=13億円』
めっちゃこんにちは。
社会人になって7年の歳月が経つ。
私は日々の労働に誇りを持って勤しんできたのだが、驚きである。
労働の価値は13万円しかないのだ。
江戸時代中期の大名で出羽国米沢藩9代藩主であった上杉鷹山の格言である。
※尚、一両の価値であるが、下記を参照し現在の貨幣価値で13万円程度として考えている。
あまりにひどい。
こんなに一所懸命にやってるのに。
毎日、毎朝起きてるんだよ?それが13万円なんて…
ちなみにこれは額面?手取り?ここから色々控除されてくの?
私を最新のiPhoneと同じ扱いってこと?
充電すればいくらでもあらゆるアプリケーションをダウンロードできるとでも思ってる訳?
こういった「お気持ち論法」では大抵議論の埒が明かない。
落ち着こうではないか。まだ1行しか読んでもいない。
後に続く示唆に富んだ内容を読み進めたい。
働き 一両、考え 五両
ここからは私の解釈である。
まず、「働き一両」については基準点だ。
このあとに続く格言を膨らますために貨幣価値がつけられている。
M-1グランプリ決勝における、1番手と同じ役回りである。
一般に、トップバッターは基準点となることから得点が伸びにくいことが指摘される。
そんな不利な環境に屈することなくチャンピオンとなった令和ロマン、おめでとう。
この「働き一両」というフリを大いに使い、価値を示すのが「考え五両」だ。
ただ仕事をこなすのではなく、誰にどう役に立つものか考え、価値提供していこう、といったイメージだろうか。
それだけでただ働くものの五倍の価値が発揮できるとあらば、考えざるを得まい。
骨知り 五十両
この格言で渋いのはここである。
骨知りは「コツ知り」と読むようだ。
『コツ=骨』だったのである、思わぬところで語源を学ぶことになる。
骨の重要性は興味深い。
何せ労働の50倍の価値を示すのだから。
ビジネスシーンで提案資料を作る際などでは、「提案の骨子」が大切だといわれる。
相手の欲しい情報と、伝えたい情報を上手くストーリー立てて一貫した一連の流れにするような作業である。
営業職に従事する身として、骨子の重要性は身に染みるところである。
物事を支える要、骨を髄まで押さえるべきだと改めて感じる。
無欲 万両
そして何より最後の1文である。
鷹山はこの下りを思いついた際、後世に残ること、格言確定、俗に言う「格確」に笑いが止まらなかったに違いない。
「無欲万両」は、物質的な欲望や執着を捨てることの重要性を表す。
無欲こそが、真の幸福と充足感を得ることができるということを意味しているのかもしれない。
何せ無欲は13億円の価値である。
シャンパンを何本開けても一晩では使い切れない、港区のタワマンに住めるだろうか。はたまたどこかの会社の大株主にでもなってみようか。
結び
本稿はタイトルから最後まで首尾一貫、貨幣価値の大小で論じてきた。
かなり純度の高い「欲」をガソリンに筆を進めてきた。赤面である。
この格言では金額をご丁寧にも一つずつ示しておきながら、本当に大切なものはお金では手に入らないことを伝えてくる。
粋にもほどがある。さすが江戸である。
毎日の労働が13万円以上の価値発揮ができるよう、精進、精進。
夢見がちな居酒屋侍、今晩も孤軍奮闘中です