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ただひたすら歩く。それはなぜ?

最近はつぶやきばかりで、丁寧な投稿ができていない。色々な出来事や思いはあるのだけれど…次から次へと流れていってしまった。"丁寧な暮らし"も、しかり。炊事の回数も減っている。。。

なのに、今日も山へ行った。しかも、私の山歩きの経験としては1番きつい部類に入る、塔ノ岳へ。

冒頭のタイトルにも書いたが、なぜ山へいくのか。
実は今の私自身にとって、はっきりした答えはないように感じている。。。

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塔ノ岳への初めての挑戦は昨年12月。今回は半年ぶり、大倉尾根のピストンの予定とした。

当初の予定では、週末にヤビツ峠から丹沢表尾根を登ることを考えていた。
しかし天気予報が不安定…私にとってチャレンジの要素があるコースは、週末に天気が安定しているタイミングを狙いたい。
また、体調も万全ではなく、目標体重より2kgも(浮腫んで)オーバーしている。。
今日も天気は下り坂ながらも日中は持ちそう。ただ、予報より早く天気が崩れる可能性を考えて、一度登ったこともあり難所はないことがわかっている大倉尾根を選択した。

今年の山の目標は、北アルプスの燕岳。
準備として累積標高差(登り、下りそれぞれ)>1000mの山歩きを重ねており、それまで累積標高差800mを超えてくると膝の痛みを抱えながらの下山となることが多かったが、最近は克服できていた。
実際の行程では、距離は短いのに累積標高差1300mの急登となる。燕山荘に宿泊する予定のため、筋肉のリカバリーの時間が取れるのでなんとかいけると思っている。

しかし、私の体力では累積標高差1000mと1300mの違いは大きく、できれば1000mを超えるトレーニングをしておきたい。その目的にぴったりなのが塔ノ岳である。

上記の記事に説明は譲る(かなり詳しく書いてあるので、コースについては私が書くことは無さそう😅)が、大倉尾根は別称"バカ尾根"。ひたすら階段を登り続ける根気試し?のルートでもある。

でも、私は結構好きかも、と感じている。岩場鎖場みたいなアスレチックなルートは、何もないところで転んだりするドジな私にとっては刺激が強すぎて…愚直なルートはむしろ安心である。

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平日朝の大倉は静かだった。ソロ登山の方が多く、みなさん準備が非常に早い。こんな日に登る方はツワモノが多そう。
7時43分、大倉バス停を出発した。

一昨日の嵐のあと…しっとりした森。出だしは穏やかな道。
見晴茶屋からの"見晴らし"今日1番の眺望?
表尾根方面。あちらも登ってみたい

もうすぐ6月。晴れると暑い。終始曇っていたのも体力的には助かったし、森の緑も青々と見える。

こんななだらかな道もあります

負荷が高い山行の時は、休憩の取り方やペース配分がとても重要。私の場合、周りの登山者につられたり、つい追い抜きしたくなるとペースアップしすぎてしまい、下山に筋疲労からの膝痛(激痛)が生じることがずっと課題だった。高尾山でもその症状が出ていた時期もあった。
登りのペースコントロールや行動食の取り方がカギだと認識してから徐々に克服できている。

今日は、登りでは45〜50分に1度、5分ほどの小休憩をとることと、心拍数(Apple Watch)140をできるだけ超えないようにペースコントロールすることにした。(それでも山頂手前では150台から下がらず)

駒止茶屋で小休憩、堀山の家はスルーして天神尾根との分岐にあるベンチで小休憩。

この後、歩きづらいガレた登り道となり、さらに急な階段となる。私が1番きつさを感じる場所。。
晴れていれば背後に広がる絶景を振り返りながら元気復活…できるのだが、今日はガスガス。

10時25分ごろ、花立山荘に到着。ここからの富士山も素晴らしいのだが…

はい、心眼で
昨年12月

直前までの登りがきつかったので、少し長めの休憩をとる。場合によってはここで引き返すのもあり。
…うん、まだ行けそう。
ここからさらに登っていくのだが、徐々に景色が変わっていく。

これはこれで幻想的で好き
時々雲が切れる

最後の階段を登る…前回はここで脚が上がりにくい感じがしていた。今日はそうなる前に心拍数が上がるので、ペースを遅くすることで脚力の問題はあまり感じずに登れた。
そして、11時10分、山頂に到着。

はい、真っ白

吹き付ける風も雲の風なので冷たい。気持ちがいいと感じたのは5分だけ。あとは汗冷えしないように一枚羽織る。

絶景を見ながらおにぎりを…と行きたいところだが、真っ白。

はい、また心眼で。
昨年12月
時々雲が切れると、丹沢の山々が見える

さて、ここからの1000mを超える下山が問題。
脚がもちますように…

絶景?はここで最後。黙々と下る。
最近調子良くどんどん下っていた時に転倒したばかりなので、ペースは上げないように丁寧に下る。
ちょうど1時間くらい経過して堀山の家に到着したので小休憩。前回はここですでに膝痛が出ていたが今日はまだ大丈夫。
エネルギーをしっかり身体に(筋肉に)補給して再出発。

しかし…この後まもなく右の膝が急に痛み出した。いつも急に出るので参ってしまう。前触れは…少し前に膝が笑う感覚はあったのでそれかな。

幸い右膝の痛みだけなので、右足を先行して段差を降りるようにして下山を続けるが、こうなるともはや周囲の景色や自然に意識を向けることが難しくなる。

次の一歩をどこに置くか。
痛みをいなしながら。
そういえば塩分が足りてないかも…アクエリアスを飲みながら塩タブレットを食べる。
うん、右はなんだか楽になってきた。むしろ左の前ももに負担がかかってきた。このままでは左も痛くなるからまた歩き方を変えよう。
右膝の曲げ伸ばしがしづらくなった。時々ストレッチして。。。

身体の状態をずっとモニタリングしながら、ただただ歩く。
鳥の声が時々耳に入っているし、登山道の変化や森は目に入っているが…
その美しさを愛でるというよりも、自分自身の状態以外は意識にあまりのぼってこなくて「無の境地」に近くなってくる。

途中で休憩を入れようとも思ったが、それで痛みが改善しそうになかったので、ペースを落としながら歩き続けることにした。そして14時3分、大倉バス停に到着。

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今日の山歩きはいつもと異なり、文字通り「トレーニング」となった。
自然を楽しむということよりも、ただひたすら歩く。そんな時間。

景色を楽しむ余裕もなくて、何が楽しいの?修行?とつい自問自答したくなる😅
もちろん、北アルプスに向けてのトレーニングなので目的は達成している。でもそれだけじゃないような気もしている。

ずっとやっていたのは自分の身体との対話
身体が負荷にどう反応するか。
その反応を受けて、さらに自分の動きをコントロールしている。
目の前の道の状態を観察し、自分の状態を知り、適切な動きを自分にさせることに集中している。
競泳などの個人競技のアスリートのそれに似ているのかもしれない。コースタイムを気にすることもしかり。

本当は、こんな計画などあまり気にせず、自由気ままに歩きたいのかもしれない。でも、そうしたことで一旦膝を壊したこともある。放っておけば体力が落ちる年齢で長く山歩きを楽しむためにも、プランニングとペースコントロールが必要だと自分の中で結論づけたことではある。

普段の生活、特に仕事の時には、相手の様子を観察したり、その場に適切なことは何かを考えたり…自分の状態や気持ちと一致しない言動をあえて行うことも多い。せめてそこに意識的でありたい(自己一致)と思うが、「自分のことはそっちのけ」ということもまだまだ多い。
山歩きの時、まさに自分に集中している時間なのだろうと思う。
普段自分を見ていないことが多いからこそ、ずっと見てもらっていることに自分が喜んでいるのかな?
これはまだ、仮説である。

さて、帰りの電車の中ではしばらく膝痛とおさらばできていたのだが、駅の階段の下りで再び痛みを思い出すことになる、、、

そして、帰宅後に洗濯、夕食の支度(豚汁✨)などと普通の家事をこなし…そう、今の私にとっては、山歩きは「日常生活と両立できる」範囲で行うものなのだ😅
仕事帰りには炊事する気力がないのに、3万歩以上歩いてクタクタのはずの今できるのはなぜ?🤣