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心が温かくなるかもしれない思い出

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#小説

きよさんの楽しいお友達作り 下巻

きよさんは毎日のルーティーンのごとく職場で怒鳴られ、凹んでいますとラインメッセージが入ってきました。 カフェ会で知り合った佐伯さん(仮名)からでした。この人は黒縁メガネが大変良く似合う優しい男性でした。 「今度皆で飲み会するんで、来ませんか?」 前回は失敗していますが、今回は何人か集まるようで、「これならひとりぐらい友達はできるだろう。その後は出会った女の子と夜の街に繰り出したりして。ぬふふふふ」 きよさんは調子に乗り、すぐに「行きます」と返事をしました。 こうして

きよさんの楽しいお友達作り 上巻

きよさんは少し禿げ始め、腹も出てきたアラサーのオッサンです。 ブラック企業の仏壇屋から大阪の優良企業に転職し、「人生が上向いてきた」と思うと同時に、ふとこんなことをつぶやきました。 「友達が欲しい……あわよくば彼女も欲しい」 きよさんは元引きこもりなだけあって、友達がまったくいないのです。もちろん彼女もいません。 「ジッとしていても始まらない。行動だ!」 「行動がなにより大事」きよさんはこんなことを司馬遼太郎先生の小説で学んでいました。 「今こそ、学びを活かすとき