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仏壇屋の憂鬱

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仏壇屋での体験や、仏事に関する情報を書いてます。
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2018年12月の記事一覧

仏具紹介『華瓶』

今回紹介する仏具は『華瓶』です。「けびょう」と読みます。 これは浄土真宗だけ使う仏具です。阿弥陀さんの目の前に一対置きます。 中に少しの水と樒(しきみ)を入れます。要は葉っぱです。その辺に生えてる葉っぱでOK。 浄土真宗はお茶も水も備えません。浄土にはたくさんの水があり喉が渇くことはないと考えられているためです。 華瓶に入れられた水と葉っぱは極楽浄土の水辺を表しています。決して阿弥陀さんに飲んでいただく用ではありません。 この華瓶は阿弥陀さんの目の間、すなわち一番奥

仏具紹介『仏器』

今回紹介する仏具は『仏器(ぶっき)』です。『仏飯器(ぶっぱんき)』と呼ぶこともあります。 これは皆さんも一度は見たことがあると思います。 そうです。ごはんを丸く盛ってお供えするとってもメジャーなヤツです。 コイツは仏具の中で、かなり重要な使命を持っています。なにせ本尊さんにごはんを食べていただくための容器なのですから。 すべての宗派に仏器は必要です。本尊さんの前に置くものなので、それなりに良いモノを準備しましょう。 「ごはんをお供えしてください」と言うと、「毎日ごは

仏具紹介『瓔珞』

今回紹介する仏具は『瓔珞(ようらく)』です。別名『ジャラジャラしたやつ』です。 仏壇の天井に吊り下げます。 仏具それぞれに持前の用途があるのですが、コイツは完全に飾りです。 飾りに特化しただけあって、すごく煌びやかです。私も初めて見たときは心奪われました。 しかし、仏壇屋の仕事に従事するうち、コイツが憎くて憎くて仕方なくなってきました。 なぜかというと、すぐにバラバラになるからです。 古くなった瓔珞に手を振れるのは厳禁です。絶対にバラバラになります。 先輩の山田

仏壇屋のお仕事紹介『住職に怒られる』

今回紹介する仕事は『住職に怒られる』です。 「そんなのが仕事なの?」と思うかもしれません。私もそう思います。 仏壇屋の仕事は「仏教」を扱うので、各々の考え、やり方があります。「浄土真宗はこうだから」と思ってやると、「ワシの寺はそんなことはせん!」と怒られることがあります。 怒られつつ、学んでいきます。まあ、仏壇屋に限りませんが。 住職のセリフと共に怒られた内容を紹介していきます。 「お布施の額を言うな!」これは仏壇屋で働くと一度は言われるセリフです。 お客さんに「