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Part4 隠書秘匿の法|忍者式安全で忘れないパスワードの作り方

第4回サークル(Shinobi Design Community)で紹介する忍術は「隠書秘匿の法」です。隠書秘匿の法とは、秘密の手紙・書類の作り方や取り扱い方です。

今回はこの隠書秘匿の法という忍者式の情報セキュリティについて学び、これを活用したネットサイトやSNSなどに使える安全なパスワードを作ってみたいと思います。

忍者が敵に情報を奪われてはいけないワケとは?

隠書秘匿の法とは、「密書」や「隠書」と呼ばれる敵に知られてはいけない極秘文書や秘密の手紙の作り方や扱い方の総称です。つまり忍者の情報セキュリティということですね。忍者は主君の命により、仲間の武将に手紙を届けたり、また自分が調査したことを主君に報告するために書類を作成する必要があります。

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これらの手紙や書類は、敵に見つかってしまえばこちらの作戦がバレてしまうことになり、裏をかかれて罠にはめられる可能性があります。罠にはまるというのは、こちらの輸送中の物資が敵に奪われる。秘密裏に進軍中の部隊が奇襲攻撃を受ける。情報とは違う兵数や武器で痛い攻撃をくらってしまうことになり、ひいては国家が滅びることにつながりかねません。

そのため、手紙や書類を暗号文で書いたり、書類自体を隠して運んだりして敵に情報が漏れないようにする方法が考えられました。

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主君と忍者間の隠書にまつわる綿密なルール

『万川集海』には隠書について、「主君は忍者の提示した暗号方式にのっとり手紙を書き、封をせずその場で忍者に手渡しすること」と書かれています。

忍者の提示した暗号方式を扱うのは、情報の収集と取り扱いの注意点に精通したプロ目線での安全性の高い暗号を考えられるから。封をしないのは見た目からの秘密文書感を無くし敵のチェックをかい潜るためか、知らない間に包み状(現代でいう封筒のような役割。手紙を包む紙)の中身を奪われたり、すり替えられたりすることを防ぐため。その場で手渡しとは、主君から忍者へ受け渡す間に情報が漏れることをなくすためではないかと私は考えています。

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また、『万川集海』には続いて「暗号方式が書かれた本は、知らない人が見たときに高貴な聖典のように見えるよう作ること」と書かれています。

暗号方式が書かれた本は、敵の手に渡ってしまうと全ての秘密情報が敵に筒抜けになるため、一番守るべき重要書類です。全く隠書とは関係のなさそうな、難しい高貴な聖典のように内容を仕立てることで敵の目をかい潜る必要があります。

『万川集海』隠書二箇条
忍者より主将へ捧げる約なり。聖智なると云うとも隠書なりと云う意のつく事なし。其の文理など見ること愈々なるべからず。

(忍者より主将へ暗号方式書を渡す。暗号方式書は聖典と思われる内容に仕立てるので隠書だと気づかれることはない。そのため、暗号方式が他人に知られることはない。)

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(ただし、この暗号方式を隠すという考え方はコンピュータを使った暗号が生まれる以前の古典暗号の考え方によります。現代暗号では暗号方式は一般に知られている方式を扱うため、この方式を使うルールである鍵だけ隠せばいいとされています。)

隠書、ようするに暗号ですが、これは現代の私たちにとっても大切なものです。私たちは日々メールやラインを使ってメッセージ(情報)のやりとりをしています。その中には他人に知られては困るようなもの、ちょっと恥ずかしいものもあると思います。仕事で使用する重要なデータは、相手に送る際に暗号化されて、ライバル企業やハッカーに奪われないように対策していますよね。

また、Amazonや楽天などの通販サイト、GoogleやYahooをなど使う方はアカウントを持っているはずです。アカウントを作成するときは、他人がアカウントを奪って悪用しないようにパスワードを設定するはずです。パスワードを設定するとき、誕生日や自分の名前など他人が推測してログインできないものを考えるように、また他のサイトと同じパスワードではないように作らないと危険だといわれますよね。

では、このパスワード設定に、隠書秘匿の法を活用してみましょう。

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