リテラシーを超えた危機感：経験・性格がもたらす情報セキュリティリスク【忍者の技と知恵 #374】

注意力の低さ・危機感の低さは意識の問題だけではありません。経験や性格などの原因から危機感を持てないでいることもあります。

忍者は敵陣中に潜入するためにあらかじめ合言葉を調べます。雑務をこなす賤卒せんそつ（足軽や雑兵）から合言葉を聞き出しますが、中でも経験の浅い若者や酔っ払い、気の変わりやすい人から聞き出します。

危機感の高い人に「合言葉パスワード何だっけ？」と聞くのは怪しまれてしまいリスキーです。そこで危機感の低い人から聞き出し、安全に情報を手に入れます。

危機感の低さとはリテラシー・意識の低さだけが問題ではありません。〈経験〉が低く何が正しいか分からない、〈アルコール・薬物〉で冷静な思考状態でない、気分屋・浮気性といった〈個人の性格〉の問題などの点が起因の場合もあります。

合言葉を聞き出すのに適した人

図解 万川集海 第四帖「陽忍編（中）」

図解 万川集海 第一帖「序・正心編」（無料版：2023再編集）

万川集海とは
『万川集海（ばんせんしゅうかい／まんせんしゅうかい）』は伊賀甲賀49流派の忍びの術、古代中国や日本の謀略家・名将軍の技と知恵を結集し、悪しきものを捨て良いものを厳選し集大成した全21巻に及ぶ忍術秘伝書である。
万の川が集まり大海となるように、数多の術を結集したことから名付けられる。