チャンスを最大限に活かすための3つの準備【忍者の技と知恵 #390】

目標を確実に達成するためには、それが成功する条件を揃えるという準備や状況判断が必要になります。

前回の【忍者の技と知恵 #389】では成功しやすい状況（条件）を人為的に作り出しましたが、今回は成功しやすい状況が訪れたらこれに乗っかってみるという忍術です。

敵が夜討ち（夜襲）を仕掛けてきて引き上げるとき、忍者は退却する敵兵に紛れて後をつけ、敵兵の答える合言葉を盗み聞きし、門前でこれを答えて堂々と城内に潜入します。夜討ちから引き上げる敵は戦いによる興奮と、負ければ疲労、勝てば安心感から警戒心が低くなり忍者が紛れ込んでも気づかない状況にあります。

今風にいえば、チャンスがやってきたからこれに乗るということですが、チャンスだからといって簡単に乗り成功を得ることができるわけではありません。訪れたチャンスをモノにするためには、①事前に行動方針を決めておく。（準備）②事前にチャンスの判断基準を定める。③チャンスが訪れることを事前に察知する。（斥候）の3つが大事になります。

①の準備ができていなければ、チャンスが訪れても対応をミスして失敗に終わってしまうかもしれず、チャンスの勝率は五分五分でしょう。②の基準ができていなければ、絶好のチャンスであっても不安感から判断を誤りチャンスをみすみす逃してしまいます。③のチャンスを察知する能力がなければ、ただ受け身で待っているだけであり、チャンスが訪れても波に乗るのに遅れてしまい、タイミングを逃してしまいます。

夜討ちの兵に紛れて敵城に潜入する

図解 万川集海 第四帖「陽忍編（中）」

図解 万川集海 第一帖「序・正心編」（無料版：2023再編集）

万川集海とは
『万川集海（ばんせんしゅうかい／まんせんしゅうかい）』は伊賀甲賀49流派の忍びの術、古代中国や日本の謀略家・名将軍の技と知恵を結集し、悪しきものを捨て良いものを厳選し集大成した全21巻に及ぶ忍術秘伝書である。
万の川が集まり大海となるように、数多の術を結集したことから名付けられる。