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日常にある物でつくる面白さ【空箱職人はるきる「お菓子の箱でつくる夢の世界展」】

空箱職人はるきる「お菓子の箱でつくる夢の世界展」(Parco Museum)

どこにでもあるものが変化する面白さ

はるきるさんの作品の一番の特徴は、やっぱりお菓子の空箱で作品を作るという点でしょう。

お菓子の空箱から作り出された作品は、日常性と非日常性が両立したことで、作品の魅力が引き立ちます。

日常性、つまり普段目にしているどこにでもあるお菓子の箱が、はるきるさんの手によって造形作品となることで非日常性を帯び、作品に驚きと楽しさ面白さを感じるものになるということです。

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ストーリー性というオリジナリティ

はるきるさんの作品が魅力的なのは、そのデザインから伝わるストーリー性だと思います。

単に空箱を使って造形をするのは誰でもできる行為ですが、そこに作者の遊び心というか、パッケージのデザインからインスパイアされたストーリーが付与されることで、作品にある種の命が宿り魅力が表れるのだと思います。

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作ることのワクワクを伝える

はるきるさんは、NHKの教育番組「つくってワクワク」に影響を受けて物作りをしているそうです。

実際、はるきるさんの作品からは、どれも手で作り上げてる感じが伝わってきます。作ることが楽しく、その感情が作品に現れています。

そして、誰でも作ることを楽しめる。みんなも作って楽しんでという思いが感じられます。

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箱を活かしたデザイン性

はるきるさんの造形の凄いところは、造形に箱のパッケージデザインを活かしているところです。

クッキーの写真を木にしたり、花の絵はそのまま花として活用し、赤いパッケージデザイン面を使って植木鉢を作成。あるものを活かすというところにセンスを感じます。

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観る人を引き込む細かな造形

また、箱を活かした上での細かな造形は、観る人を魅了し作品世界に引き込みます。作品世界に没入することで観る人はストーリーを感じ取り、生きた魅力を得ることができます。

人の心を掴む作品作りとは何か?

ストーリー性、デザイン性、造形力はどれも欠けることは許されず、この3つが高められることで初めて人の心を捕らえた素敵な作品は出来上がります。

はるきるさんの作品を見て気づいたのは、人の心を掴むのは、高い素材を利用した高級な美術品とは限らないということ。

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お菓子の空箱という、食べたら捨てる運命にあるもの。パッケージとしての役割といえば、商品を飾り付け売れるようにする。またはお菓子を美味しく見せるだけのものを、ある種リサイクルする様に活用しアートとして楽しむ行為が、人に驚きを与える1つの要因だと思いました。

絵を描くために絵具の原料を森に探しにいく、彫塑をするために粘土を掘りにいく、空箱アートのためにお菓子の空箱を拾い出す。素材を身の回りの環境から採取して創作する行為自体は今も昔も同じだな〜と、ふと感じたところでした。

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