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忍術秘伝書に学ぶ「必死」

忍術秘伝書「万川集海」を読むと、どうやら私たちの普段考える必死という言葉の意味は、本来の意味とは違っていたようです。

(万川集海は、延宝4年に藤林左武次保武によって書かれた忍術書で、3大忍術秘伝書の1つ。伊賀流、甲賀流の忍術を集約した全22巻からなる忍術百科事典のようなものです。)

諦めた心から生まれる希望

必死とは、ただがむしゃらに物事に取り組むことではなく、「もういいや」という諦めの気持ちに一旦なることで、問題に対して脳をリフレッシュして向き合うこと。

がむしゃらな必死ではなく、冷静な必死

普段私たちが「必死」という言葉を聞くと、目の前の問題に対して、一生懸命がむしゃらに取り組んだり、なんとか乗り越えようとする姿をイメージします。ですが、万川集海を読むと実際はそうではないようです。

本来の必死は、目の前の事に対して、「あ、これはもうダメだ。どう足掻いても死んじゃうなー」といった、必ず死んでしまうような状況で、諦めの気持ちから生まれた言葉です。

そして、諦めた事によって混乱していた脳がリフレッシュされ、目の前の事を冷静に捉えることができる状態になる。それが本来の意味だと考えます。

万川集海「必死則生・必生則死」

万川集海には「必死則生」と書いてあり、これは「必ず死ぬと思えば、冷静に判断できるようになり、則ち生き延びることができるようになる」という意味です。

逆に、私たちがこれまで思っていた「がむしゃらな必死」は、生き延びようとする強い思いから生まれていた言葉で、実際は「必生」という言葉になります。

必生は、なんとか生き残ろうと考えるあまり、自分のことしか見えなくなり、周りを冷静に捉えきれなくなる状態です。

そして、冷静に判断ができないため、敵の罠にはまり死んでしまう。つまり「必生則死」になってしまうということです。

全てを捨てて冷静に

必死則生、必生則死は普段の仕事にも当てはまると思います。

仕事をする上でも、目の前の課題に対して良い結果を出そうと思うと、意気込むあまり理想が高くなる。あれもやろう、これもやろうと思うと周りを冷静に見れなくなり、結果良いものが出来ないで終わってしまう。

逆に、課題に対して目標を立てた後「まあ、どうせダメな時はダメだ」と思う。すると、あれこれ考えずに一度冷静になることで、最低限何をやるべきか?重要な点にマトが絞られる。また、重要度の高いものからクリアしていくので、時間の余裕も生まれ、結果想像以上の良いものを作ることができるようになります。

必死の本当の意味に立ち返って、忍者のようにいざという時に深く考えず、肩の力を抜いて働けるといいですね。

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