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「胴肩衣」夜討ちの費用対効果を考えたユニフォーム【忍者の技と知恵 #236】

敵味方が入り乱れて戦う戦場では、同士討ちを避けるため「合印あいじるし」を身につけます。特に夜間の戦闘では、暗くて敵か味方か見分けがつかないため「胴肩衣どうかたぎぬ」という白の袖なしの上着を身につけます。

江戸・戦国時代の夜は現代のような電灯がないためとても暗い世界です。夜闇に紛れて敵に近づく夜討ち(夜襲)は、敵の視覚の隙を突くため効果的な作戦ですが、同士討ちのリスクも負います。作戦を考えるときは、自己の効果(メリット)を最大限に高めながら費用(デメリット)を極力下げるように努めなければなりません。

夜討ちが効果的なのは「敵に察知されずに近づける」という一点であり、その結果相手は「想定外のタイミングで敵襲を受け、それに驚き、心理的にも物理的にも準備ができず、十分な対応ができない」ことになるためです。

こちらの効果を上げるためには攻撃開始まで身を潜めて近づき、いざ攻撃!となれば堂々と思い切って仕掛ける緩急が重要となります。胴肩衣は作戦後半の戦闘時に役立つアイテムなので、白で敵に見つかるリスクを負っても構わず、それよりも同士討ちのリスクを下げなければならないのです。

「胴肩衣」を身につけて同士討ちを防ぐ


【忍者の技と知恵】は毎週 月・水・金曜 朝8時ごろ更新!『図解 万川集海』を元に、忍者の技と知恵をお届けします。

万川集海とは
『万川集海(ばんせんしゅうかい/まんせんしゅうかい)』は伊賀甲賀49流派の忍びの術、古代中国や日本の謀略家・名将軍の技と知恵を結集し、悪しきものを捨て良いものを厳選し集大成した全21巻に及ぶ忍術秘伝書である。
万の川が集まり大海となるように、数多の術を結集したことから名付けられる。


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