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年間2万超のアンケート

東京都内に「牛たん とろろ 麦めし ねぎし」を41店舗展開するねぎしフードサービス。創業者の根岸榮治社長のリーダーシップがよく知られますが、同社をより有名にしたのが、2011年度の日本経営品質賞受賞です。

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Q(クオリティ=味)、S(サービス=笑顔・元気)、C(クレンリネス=清潔)、H(ホスピタリティ=親切)、A(アトモスフィア=楽しさ)を「ねぎしの5大商品」として質の向上を図り、透明で健全な経営、人が成長できる仕組みが高く評価された受賞でした。

2万枚超の声を生かす

同社が企業活動の最も重要な指標としてきたのが「顧客の声」です。「社内のすべてにおいて、アンケートで改善するという風土、アンケートを材料にするという発想なんです」と、取締役の相良治美さんは言います。

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ねぎしの顧客の声を集める代表的な仕組みが、店のテーブルに置かれるアンケートはがきです。前述の「5大商品」について、大満足、満足、普通、不満、激怒の5段階で顧客に評価してもらい、その場で受け取ったり、持ち帰って書きこんだ後、ポストに入れてもらい、すべて新宿のサポートオフィスに集めています。その数、月におよそ1800枚。1年間に2万1600枚あまりがねぎしの経営を磨いていくのです。

経営を磨くもの

本部では、毎月、項目ごと、店ごとに「大満足」から「激怒」を集計してランキングを出し、社内で公開します。どの店がQSCHAのどれが得意で不得意なのかがはっきりと出るので、各店は意識せざるを得ません。

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はがきの自由記述欄には、スタッフの名前を挙げて感謝を表すものも多いとのこと。その集計も行い、毎月、お褒めの言葉を得たスタッフを「親切賞」として個人表彰しています。スタッフにとって、接客に力を入れる大きなモチベーションとなっています。

勘や経験ではなく、また一方的な上からの指示ではなく、「顧客の声」をもとに回るねぎしの仕組みは、課題を自分の問題としてとらえ、自らアクションを起こすことを促しています。それがねぎしの本当の強さなのです。

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