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今日の商う言葉

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「商人の父」と言われた商業経営指導者であり、経営思想家の倉本長治が遺した膨大な著作・発言の中から、そのエッセンスをコンパクトな言葉にまとめて超訳、私なりの解釈を添えます。 日々の…
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2021年1月の記事一覧

よく売るとは 多く売ることではありません 一人ひとりのお客様の 心からの満足を言い…

売るということは、お客さまと心を通わせることです。 人と人とのつきあいから始まります。 人…

笹井清範
3年前
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何のために商うのかを はっきりとつかめたなら 誰も本当の商人になれ その道は穏やか…

1.他店で売れているから 2.仕入先から奨められたから 3.売れそうだから あなたの商品・…

笹井清範
3年前
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流して通す流通業か 小さく売る小売業か お客様の視点に立てば やるべきは後者です

小売業と流通業、似たような言葉ですが、意味するところは異なります。 その二つをあいまいに…

笹井清範
3年前
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店の語源は「見世」 すなわち店とは 自分の世界観を 見せる場所のことです

物々交換を行う「市」から興った商取引は、やがて常設の「店」になりました。 そもそもは「見…

笹井清範
3年前
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愛をもって生き 愛をもって商えば 嘘も偽りもない お客様に愛される店となる

経営理念とは何でしょうか? 「事業の目的は顧客の創造である」 経営学の碩学、ピーター・ドラ…

笹井清範
3年前
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商売は利益なしでは続きませんが 真の目的は儲けではありません だからお客様のために…

世の中に様々な商品があるように、お客様のニーズも一人ひとり様々です。 それなのに、お客様…

笹井清範
3年前
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商売の目的は 人の幸せをつくること その一点のためにのみ 商人は儲ける義務を負います

私たちは食べなければ生きられない存在です。 それは商売も同じこと。 ですから、損得を尺度とする儲けからどうしても離れることはできません。 それは、私たちが生きるために食べることから逃れられないのと同じです。 しかし、食べること自体が生きる目的ではないはずです。 生きる目的の実現のために、私たちは手段として食べるのです。 商売も儲けてこそ続けられますが、儲けること自体が目的ではありません。 私たちはしばしば目的と手段を入れ違えてしまいます。 では、商売の目的とはなんでしょう

自社都合で率を効かせる 効率に走ってはならない お客様優先で理を合わせる 合理の商…

かつて「五つのNO」をお客様に求め、安売りで名を売った店がありました。 五つのNOとは「…

笹井清範
3年前
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正しいことで人に喜ばれ それをやり続けるところに 商人の幸せがあり 社会の善が育ま…

「商人と屏風は直ぐには立たぬ」 ことわざに残るこうした商人への悪評に江戸時代の思想家、石…

笹井清範
3年前
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本質を真似する先に 工夫に満ちた創意が生まれ 創意が真似の質を高める この両輪が商…

「学ぶ」の語源は「真似る」と同じであり、「真似ぶ」とも言われていました。 真似ることは学…

笹井清範
3年前
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お茶席は四畳半 それはいつも行き届くため だから小さな店は隅々までが お客様のため…

一、茶は服のよきように点て(心を込める) 二、炭は湯の沸くように置き(本質を見極める) 三…

笹井清範
3年前
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利のもとは義であり 義とは人の道をいう 相手の都合に立つ おもいやりこそ商い

「義は利の本なり」は古代中国の思想家、孔子が編纂したと伝えられる歴史書「春秋」の代表的な…

笹井清範
3年前
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自らの商いに理想を持ち 高い希望と志を掲げよう それが自他の善に通じ 幸福につなが…

金を残して死ぬのは下だ 事業を残して死ぬのは中だ 人を残して死ぬのが上だ 医師、政治家であ…

笹井清範
3年前
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無常を心に留めましょう 変化を恐れてはなりません そこに喜びを見いだし 対応するのが商人の務めです

「ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。 淀みに浮かぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、久しくとどまりたるためしなし。 世の中にある人とすみかと、またかくのごとし」 日本三大随筆の一つ、鴨長明の『方丈記』の書き出しはあまりに有名です。 長明の生きた鎌倉期は火災や地震、飢饉などの大きな災厄に見舞われた時代でした。 こうした災厄や自身の苦難の体験を糧に、彼は「無常」という境地にたどりつき、「人生とは何か」を主題とした随筆は後世に残る名作となりました。 これは昔話や他人