神戸の優しさを胸に、航海は続く
久しぶりに瀬戸内に遠征してきました。
今のSTU48はいろいろあるけれど(本当にいろいろ泣)、私はSTU48の皆さんが好きだし、甲斐心愛さんのことが大好きだと改めて思った旅行でした。
瀬戸内のアイドルは瀬戸内で見なければ魅力が伝わらない。かどうかはわからないけれど、旅先で見るSTU48が素晴らしいのは過去の自分の旅行でもわかっていて、だからこそ私も瀬戸内に旅する。今回は大阪と神戸、とついでに香川も観光してきた(神戸も瀬戸内というのがSTUルール)。
大阪は全国ツアー追加公演。昼は後ろで夜は前。前のほうが見えるものが多く、単純に楽しい。
初めて生で見た『無謀な夢は覚めることがない』は、ふんわりとした余白の多い純白の衣装が天女を思わせる。真っ白なアイドル衣装に出会うと、今更純白衣装は安直ではと何度となく思ってしまうが、それでも見ているうちにやはり純白は正義だなと、不思議な納得に陥る。
甲斐心愛さんセンターの『法定速度と優越感』は、心愛さんの横に跳ぶステップの大きさがとても心愛さんらしく、見ていて爽快だった。対して、『ガラスのI LOVE YOU』では恥ずかしそうにはにかむ心愛さんが素敵だ。「かわいい」に対する心愛さんの距離の置き方が彼女の良さを高めていると思うので、これからもアイドルらしい可愛さに慣れないでほしいと私なんかは願ってしまうが、それは傲慢というものか。
STUの公演は、前方の席に座ってちょっと油断すると、レスをもらえてうれしいから最高の公演だと、単純な感想に陥ってしまう。もっとしっかり見なさいと自戒するも、片手にうちわを持っていてはまったく説得力がない。気持ちの持ちよう次第なのだが、本当はあなたのファンがここにもいるよというしるしでうちわを持ちたいが、実際はレスくださいという欲望の表れに過ぎない。メンバーのほうも時折MCで今日はたくさんレスを配る的なことを言ったりしていて、いやそうじゃないんだよなと思うも、実際目が合うとうれしいので難しい。
公演を近くで見ると本当にいろいろなものが見れる。向かい合ったメンバーに見せる薮下楓さんの笑顔、ひたむきに踊る磯貝花音さんの乱れた前髪。甲斐心愛さんのステップはこちらの想像を超えて踏み込まれ、いつだって最高だ。隣との間隔をチェックする表情も真剣で、心愛さんのステージに賭ける熱意が伝わってくる。配信では感じることが難しい質量を持った動きが目の前にあるから、私は公演に足を運ぶ。旅先での思い入れがあるとはいえ、瀬戸内で見るSTU48は素晴らしい(ここは大阪だけど)。
大阪に続いての神戸は春節公演。後方も後方のどうしようもない座席で凹んだ。どんな席が来るかわからないとわかって申し込んでいても、ステージが見えづらい席に座ると、遠方枠が欲しくなる。
この公演はセンター瀧野由美子さんがお休みで、アンダーとして甲斐心愛さんセンター。『暗闇』の頃の陸上公演ツアーを思い出す。あの頃も瀧野さんアンダーとして、心愛さんがよくセンターに立っていた。そのときのセンターでパフォーマンスする心愛さんに感動したから、今もこうやってSTUを好きで追いかけている。
セットリストも、その陸上公演を思い出させるような懐かしの選曲で、そこに最近の全国ツアーの曲を混ぜて、とりあえず楽しく盛り上がろう(主観)というセットリストだった。英語や中国語でAKBの曲が歌われるとまた新鮮で良い。
陸上公演で何回も見て、好きすぎていつの間にか振付も覚えてしまった『NEW SHIP』や『少女たちよ』は、今見ても最高だったし、『暗闇』のカップリングメドレーも久しぶりで、以前よりもさらに良い曲に感じられた。本当に好きな曲ばかりだから、後ろの席でも十分楽しい(最前だったなら神公演)。
もちろん、『暗闇』のセンターは甲斐心愛さんだ。『暗闇』は私が甲斐心愛さんを好きになったきっかけの曲でもある。あの頃の心愛さんと、今の心愛さんは、まったく違う。以前よりもさらに頼もしく、立派なSTUの一員として輝いている。過去を思い出しながら今を見て、ずっと心愛さんを見続けてきてよかったなという思いで胸がいっぱいになった。
自分がいちばん盲目的にSTUを追いかけていたのが『暗闇』の頃のせとうちめぐりと陸上公演なので、懐古しているのは否めない。それは寂しくもある。STU側がどう前向きに発信しようと、メンバーが辞めることは事実で、ただただ悲しい。しかし、目の前のメンバーは精一杯頑張っているし、その姿に直に触れると、やっぱり離れられないし、もう少し瀬戸内に通い続けようかなと思う。
神戸からジャンボフェリーで香川に移動して、うどんを食べてから帰京。ラクーアで再びSTU48を見た。
その前にSTUと関係ない神戸と香川の話を少し書きたい。
神戸でSTUを見る前に、ある喫茶店を訪れた。「喫茶 思いつき」という神戸市兵庫区西出町にある家族経営の小さな喫茶店。品の良いおばあさん四姉妹で切り盛りしている素朴な喫茶店だ。そこが本当に素晴らしかった。4人とも皆素敵な方々で、いろいろな話をたくさん聞いて、こちらもたくさん話した。お店の話、家族の話、旅行の話。実家以上に実家らしい居心地の良さで、人付き合いの苦手な私ですら2時間以上長居してしまったほどだ。帰り際、泣きそうになってしまった。本当に行けてよかった。看板はあるけど、本当にお店が開いているのか外からはわからず、ドキドキしながら扉を開けた自分の勇気を褒めたい。また神戸に行くときも絶対訪ねる。
神戸から夜行のフェリーで上陸した香川。まだ空も暗い7時開店と同時に福田朱里さんのポスターがたくさん貼ってあるめりけんや高松駅前店で朝うどんを一杯。さらにうどんバカ一代で朝うどん二杯目を決めようかと、お店に入ったら制服姿の女子高生が何人かうどんを食べていて、JKの登校前うどんカルチャーに衝撃を受けた。STUの福田朱里さんは自己紹介で「三度の飯はうどんで決まり!」と言っていて、さすがにそれは誇張でしょと常々思っていたけど、本物の香川のJKが朝からうどんを食べている光景に遭遇して、福田さんの言葉を信じなかったことを謝りますごめんなさい。いやでも本場香川のうどんを食べると、やっぱり美味しいから朝から食べたくなるよねというJKの気持ちよくわかった。
今回の瀬戸内旅行の締めくくりはラクーアでのリリースイベント。リリイベ前には、八天堂でひなぴよちほんぬから瀬戸内レモンクリームパンを受け取ったりした。ラクーアは近所なので、普段よく買い物をしているショッピングモールをSTUのメンバーが歩いているのは不思議な感じだった。結構な数のプレスを呼んでイベントを開いたけれど、STUは選抜メンバー全員でもない6人だけの参加で、センターの瀧野さんもいないし、メディアに宣伝してもらうためにとりあえず東京でイベントしましたという事実を作りたいだけに感じられたのがちょっと残念…。
握手会は大盛況で、ほとんどループ出来なかった。最後のまとめ出しで甲斐心愛さんと握手したときも伝えたけれど、やっぱり私はステージで歌って踊っている心愛さんが大好き。ステージの上で輝いている笑顔がいちばん大好き。悲しいことに人がどんどん辞めている現状だけど、だからこそステージに立ち続けている心愛さんにとても感謝している。
私はよくステージでパフォーマンスしている甲斐心愛さんが好きだと、直接本人に伝えたり手紙に書いたりしている。それは本当のことだからだ。しかし同時に自分に言い聞かせてもいる。アイドルの本分はステージにあると。
STUの公演は最後にお見送りがある。お見送りといっても、歩いて流れる一瞬でこちらはただ会釈するのみで通り過ぎるしかないのだが、甲斐心愛さんは大きな声で「ありがとう!」だったり「見えたよ!」とか伝えてくれる。お見送りの心愛さんも優しい。他のメンバーも「ありがとう」と言ってくれたりするが、心愛さんの言葉は特別に聞こえる。もちろん、私が心愛さんを特に好きだからそう聞こえるのだとわかっている。そうわかっていても特別は特別だ。一瞬のすれ違いだからこそ、純度の高い言葉に感じられる。ありきたりの、誰にでも言っていそうな言葉が、光を放つ。帰りながら、ライブの内容よりも最後の一言に幸せを感じることがある。ちょっと申し訳ない。その自戒も込めて、アイドルは歌って踊ることこそが何よりも大切だと、自分自身強く信じる。アイドルが多様化して、私が好きなタイプのアイドルがオールドスクールなのは理解しているが、ステージに立つことに幸せを感じる人が私は好きだし、そういう人をずっと見ていたい。
土曜日、月曜日、水曜日と、久しぶりに続けてSTU48を見ることが出来て胸いっぱいだ。向こうはいつも忙しいし、公演も日常茶飯事だから気付かないだろうけど、こちらは会える時間への気合が半端ない。仕事を調整したりして、なんとか頑張って好きなアイドルに会ったりすると、思い入れも倍に深まる。そのこちらの思い入れと、あちらの意気込みが、うまく噛み合えば最高の瞬間に出会えそうだなと予感しつつも、そうそうきらめく瞬間は巡り会えないから、何度も行き続ける。
ただ、こちらが頑張るのは自己満足であって、アイドル側にはこっちに努力なんて気にしないでほしいという気持ちもある。好きだから追いかける。義務感もないし、興味を失ったら静かに去るだけ。今ももちろん楽しいけど、余所見してしまうと、もっと楽しい現場になれるはずなのになと思ってしまう。余所見出来ない程熱くなれないのも悲しいけれど。
本当に楽しかった。友人と行った大阪の春節祭も楽しかったし、思いつきも素晴らしかったし、香川のうどんも美味しかった。どこに行ってもSTUの皆さんは笑顔で迎えてくれて優しかった。やっぱりまだまだ瀬戸内から足が遠のくことはなさそうです。ありがとうございました。
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