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【エレキギター回想録・その2】

さて、第二弾は悩んだんですが、先ずはコレかと…。

【Bacchus BFV-57K】

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BacchusのコリーナVですね。
2000年頃のモデルで今は廃盤ですが、偶にMOMOSEブランドで、コリーナVが出ます。
それと殆ど同じスペックです。

【コリーナとの出会い】

元々中学時代にKISSに憧れ、ポール・スタンレーがフライングVを使っていて、Vに憧れたのが切っ掛け。
で、すぐにグレコのFVを買う訳ですが、高校時代にとある出会いが…。

地元の楽器店で小規模ながら楽器フェアが開催されまして、そこに当時ESPの社長の個人所有と言われて居た、本物の1958年製のコリーナのフライングVが展示されていたんです。
まぁ、今となってはそれが本当に本物なのかどうなのかは定かじゃないんですが、1980年当時、精巧なコリーナVの偽物が出回ってるとは思えないので、まぁ本物だったのでしょう。

当時、グレコからFV900と言う名称で、コリーナVのコピーモデルが出てました。
しかし、ボディーは栓で出来ており、ネックはメープル。
フィンガーボードはローズウッドと言う、材料的には全く別物だったんですが、Ibanezブランドのそのモデルを「J・ガイルズ」が持って、雑誌の表紙になってたんですよね。
それを見た時に、渋いVだなと思って見てたんですが、グレコでも9万円もするので、ちょっと当時の高校生には難しい値段でした。

そのFV900の元になった本物が目の前にあるわけです。
触ってみたくて仕方がない。
店員に頼んで見たが、触っちゃ駄目って事で断られたんですよ。
でも、諦めきれなくて、その楽器フェアの期間中、毎日通ってそのVの前によだれを垂らしながらぼーっと立ってたんですよ。

で、最終日。
イベントが終わって片付けに入ってる訳ですがそれでもオレはそのVの前から動かないで、じーっと見てたんですよ。
すると店員が、「仕方がないなぁ〜。まぁ今後一生見る事も触る事も無いだろうから、記念に弾かせてやるよ…。」と言ってくれたのでした!

そしてそのVを持って試奏ブースへ。
アンプはマーシャルの1959+1960Aの王道です。
そこへ、コリーナVをシールドでつなぐわけです。
出た音は…

何とも言えない美しい音で、きれいに澄んだ音で、本当に「美しい」と形容する以外に言葉が見つからない程、素敵な音がしたんです。
その時「コレだ!」とオレの中の何かが弾けました。
とにかく、その音を自分に刻みつけるように時間いっぱいずーっと弾きまくってました。
オレの中では「コリーナV」と言うよりは、その時から「ブルースV」と言う名称になりました。

【コリーナへの旅】

1980年と言えば、Gibsonから、ヘリテイジシリーズのコリーナVが発売された年です。
一応コリーナ材ですが、木取りも違うし、ネックジョイントも違うし、コリーナVではありますが57年風に仕上げたってだけで、別物です。
それでも、当時30万とかしてたんで高校生のオレには無理な値段です。

それから10数年後、Orville by Gibson から、コリーナモデルが発売されます。
オレはすぐに買いました。
ピックアップはGibsonのPU-490を搭載してましたが、作りはヘリテイジを踏襲したスタイルで、材質はマホガニーでした。
それでも、なんかヘッドに小さいけどGibsonって書いてあるのが嬉しくて買ったんですよ。
その数年後に今度は、構造的にかなり近い感じのコリーナモデルがBacchusから発売になるわけです。

BFV-57という品番でマホガニーボディーでした。
しかし木取りはちゃんと斜めに成っているし、ネックジョイントも、ジョイントしてから削り出すスタイルに成ってます。
流石にロングテノンではありませんでしたが、オレ的にはかなり57年Vに近い感じで、しかも音も良かったんですね。
なので当時持ってたGibsonの67リイシュを下取りにして、そのBacchusを買ったんです。
お店の店員から、「本物のGibson下取りにして、国産のコピーモデル買う客は初めてだ!」と言われましたが、其の位音も良くて欲しかったんですね。

サウンドはコリーナのそれじゃなかったでしたが、雰囲気を楽しめて、音も良かったのでまぁ満足してたんです。
そしてその数カ月後にこのBFV-57Kを発見することになりました。

【BFV-57K】

いつものようにブラっと立ち寄った楽器店の中古コーナーに新古品と言う事でぶら下がって居たんですが…そのボディーの木目は…どう見てもコリーナのそれなんですよ。
値段は10万円
手にとってみると、あの高校時代にたった一度だけ弾いたあの58年Vの感触を思い出したんです。
手触りこそ全然違いますが、この重さ、サウンド、完璧じゃないが、あの58年の音を彷彿とさせる訳です。

「買わない手はない。」
早速買うことにしたんですが、10万円の現金を用意するには数日かかる。
なので、Orville by Gibson を下取りにして6万円位追い金して買いました。
それから、暫くオレのメインギターになってましたね。
当時はストラトばかり弾いてたんですが、このVを手にして、ストラトから卒業した感じですね。

念願のコリーナVは、当時これだけだったんです。
まだ本家カスタムショップは日本に入ってなかったし、他のメーカーのコリーナモデルは、形こそ似せてるが、材質はマホガニーだったので、当時唯一のコリーナモデルでした。
しかも10万って格安だと思うんですよ。
その後、Bacchusブランドでコリーナシリーズ出てましたが、概ね15万以上してますし、MOMOSEブランドだと、20〜30は当たり前で、グレードによっては50万とかもあります。
本家CSでは最低で60万〜で、満足行く仕様にするには、200万くらいかかります。

それを考えると、10万って破格なんですよ。
で、店員に聞いてみたんです。
「なんでコリーナがここにあって、こんな安いんだ?」って。
店員曰く「メーカー(販社)からサンプルで届いたヤツなので、詳細はわからないが、今後レギュラーラインで作るやつの見本なのだがケースやwarranty が無いので安く出してる。」という話だった。

なので、ケースはGibsonのケースを別途入手して使ってます。

【そして現在】

その後、自分のプレイスタイルに合うように色々手を加えてますが、どちらかと言うと、より57年のオリジナルサウンドに寄せる方向での改造ですね。

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ピックアップは、1978年製造のGibson PU-490。
いわゆる、刻印ナンバードのT-TOPってやつですね。
70年代後期モノなので、フックアップワイヤーは既にメタルシールド仕様で、ノイズに強い。
元々、78年のレスポールカスタムに載ってたやつを譲ってもらったので、カバーもゴールドでいい感じです。
天然レリックで年季が入ってるのも中々渋いなと思ってます。

ポット類は国産ですが、コンデンサーはブラックビューティーに入れ替えてます。
配線は、Gibsonオリジナルだと、AWG24の単線と思われるんですが、同等のものが手に入らないのと、単線の音は硬すぎてイマイチ好きになれないので、敢えてフェンダースタイルのシルクワイヤを使ってます。
線が太いのでそこそこ抜けも良くて、適度に腰もあって好きな音がするワイヤーです。

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ロッドカバーは、変な形のが付いてたんで、釣り鐘型に交換しました。
これは、レスポールスタジオに付いてたやつで、まぁ釣り鐘なら何でも良いやと思って手元に余ってたコレを付けました。🤣

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当然裏通しのV字型の木目です。
ボディーサイドにゴムは付いてませんが、ゴム要らないと思ってたので、これでオレ的には正解です。
この木目がたまりません。

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ネックはセンター合わせの2ピースで、多分材料の節約でそうなったんでしょうね。
でも、全然気にしてません。
ちゃんとコリーナの音がしますから。
シリアルナンバーから、2001年の218番目だと言うことがわかります。
これは、Bacchus全体で218番目なのか、コリーナVの218番目なのかは不明です。
恐らくBacchus全体での218番だったんじゃなかろうか?と思ってますが、詳細は不明です。
ペグなどのハードウェアは、安定のゴトー製ですね。
ガタツキや、へんな共振は皆無です。

この写真を取るために、久しぶりに引っ張り出したんですが、ネックとか全く動いてません。
流石!勢いが有った頃のBacchus製品はかなり高品質です。

でもこれがサンプルだったなんて…。
ちょっと不思議…。

このギター、絶対に手放すつもりがないギターのうちの1本です。
今でも時々登場します。
あまり激しくないロックをやる時にこいつの出番が来ますが、最近はピックアップがハウリングを起こすように成ってあまり出番が無くなりました。
これ、巻き直したりすると、音が変わってしまうだろうから、ちょっと切ないんですよね〜。😓

という事で…。😊

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