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【エレキギター回想録・その3】

さて、第3弾は、Vつながりでコレですな。😎

【Gibson Flying V 1981】

Bacchusのコリーナを買って、一応満足してたんですが、幾ら良いものでも、所詮は「ニセモノ」
なので、一度くらいは「ホンモノ」を手にするべきだろうと思ったんですが、流石にホンモノコリーナは家が建つ程の値段してるんで、オレには無理。
じゃ、手が届きそうなホンモノって…って事になったわけです。

【Gibson は Kalamazoo】

色々調べていくと、皆が「銘機」と呼ぶ物の殆どがカラマズー工場で作られていることが判った。
時は既に2000年だったので、カラマズー工場はとっくに閉鎖に成っており、Gibsonのメイン工場は、ナッシュビルに移ってました。
他に、メンフィスとモンタナにも工場があって、双方とも箱物を作ってたので、ソリッドエレキはナッシュビルだったんですよね。

そこで、現実的に入手できそうなカラマズーGibsonは何だろうと…。
調べてみると1974〜1984の10年掛けて、工場の移動をしてるので、マックスで1984年まではカラマズーギターが有るわけです。
しかし、フライングVは、83年を最後にカラマズーから消えます。
1984年のデザイナーズや、それ以降の67リイシュは、ナッシュビル製なんですよね。
と言う事で、「ホンモノ(カラマズー)が欲しい…。」と悶々した日々を送っていたのでした…。

【発見した!】

そんな折、何気に見たヤフオクで、ちょっと珍しいVが出てた。
1981年カラマズー製の、スペシャルカラーシリーズのVだ。
本来カラフルなカラーのラインナップなのですが、ヤフオクに出てたのは、オリジナルのポラリスホワイト。
しかし、経年変化で完全にちょっとピンクっぽい黄色に成ってましたが、オリジナルパーツが欠損してるので、格安で出てました。
しかも、よく見るとネックにバインディングが入ってて、これは珍しい&貴重品‼ってことで、とにかく入札してみました。

安いとは言っても、そこそこの値段ですから、他に競合も無くあっさり落札。
届いてみると、予想通りのレアもので、1980年〜1981年の1年間しか製造されてないと言う、通称バインドネックだったわけです。

コレは小躍りして喜びました。
念願のホンモノですよ。
先ずは、そのままの状態で鳴らしてみました。

【ホンモノを知る】

もう、全然違うんですよ。
自分が想像してたマホガニーVのサウンドは全然違ってまして、もっとクリアで、もっと繊細で、もっと美しいものでした。
野太いイメージだったんですが、もっとストラトっぽい感じで、「ちょっとファットな音がするストラト」ってイメージでした。
これを更にオリジナルに近づけるためには、当時のパーツを入手する必要がありました。

【最初はペグ】

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取り敢えず、ペグがもう駄目になってて交換する必要がありました。
ノーリン時代のペグが付いてたんですが、同じものの新品はもう存在しませんので、中古パーツになるわけです。
ならば、Gibson純正のロトマチックペグに変えようと思って、シャーラーGibsonを探して買いました。

次は、ブリッジ。
オリジナルのTOMが錆で使い物にならないので、これはゴトーの新品に交換しました。
テールピースは当時のやつをそのまま使用。

配線類もかなり劣化しているので、これも全て交換。
コンデンサーは当時のままのセラミックコンデンサーです。
ピックアップは、近年の490が搭載されてたので、80年製のT-TOPを入手し交換しました。

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特徴的なピックガードはそのままですが、入手段階からエスカッションが取り付けられており、これを外すとネジ穴が残ってしまい、カッコ悪いので、そのままにしてあります。

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で、特筆すべきはネックが細い。
幅は40mm程度。
標準的なストラトが、42mmで、’68のストラトが、40mmくらいなので、'68ストラト並みの細さなんですよ。
更に、バインドネック!このレアさがたまりません。
買った時は25万程度だったんですが、一時期は高騰して80万位の値段がついてた時期もありました。今でも、60万くらいはするっぽいですけど…。
一応、ナットもやり直してあります。
Gibson純正の練り物のナットを切り直してあります。

【現行品と何が違う?】

このカラマズーへの拘りは何なのか?と…。
なので、67リイシュ(Vファクター)と比べてみました。
1984年以降、GibsonのフライングVは、基本的に全部同じ形です。
恐らくNCルーターで切り出してるので、全部同じなんでしょう。

【ネックの太さ】

先にも挙げたんですが、まずネックが細い。
67リイシュ(以下67V)はナット幅42〜43mm程度(ウチのは42.5mmだった)ですが、このバインドネックは40mmですから、2〜3mmも細いんです。
これは持った感じがぜんぜん違うので、全く別なギターと言っても良いでしょう。

【ボディーの厚み】

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上の写真が、67Vで、約40mm。
下の写真が、バインドネックで、約34mm。
5〜6mm程ボディーも薄いんですよ。
これは重量も変わるし、音も変わります。
現行品の67Vよりもより繊細な音がするのは、このボディーの厚みにも関係あるかもしれません。

【ネックの仕込み】

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写真で見て分かる通り、ネックがボディーからかなり突き出ています。
しかもボディーとほぼ平行に仕込まれています。
現行の67Vは、ネックにレスポールみたいな仕込み角が付いており、更にネックエンドがボディーに埋まっています。

V型デザインを踏襲してるってだけで、全く別ギターなんですよね。
これだもの、音違いますよ。😅

【ホンモノを持つと、コピーモデルの使い方も変わる】

で、ホンモノの音を聞いて、今一度手持ちのコピーモデルを鳴らしてみる。
改めて聞いてみると、国産コピーモデルもバインドネックに負けない位、中々良い音がしてるんですよ。
でも、今までは其の音が聞こえてなかった。
ホンモノを手にして初めて聞こえるようになる音って有るんですね。
噂には聞いてましたが、自分では初めての体験でした。

このギターを入手したことで、ホンモノを知る大切さを学んだ気がしますね。
ホンモノと言えば、日本で聞くマーシャルアンプの音は酷いですね。
恐らくは電源電圧の所為だと思うんですけどね。
ちょうどJCM900が流行ってた頃、どうにもあの紙を破いた様な「バリバリバリ〜」って歪が好きじゃなかったんですが、200Vのヨーロッパで鳴らすJCM900はそりゃもうご機嫌サウンドで、「こりゃ売れるわけだ。」と納得したのを思い出しました。
イギリスアンプは200Vで鳴らさないと本領を発揮しないって事なんでしょうね…。
そういう意味で、ホンモノってやっぱ大事ですね。

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