青春18キッパーの独り言一枚目(ふるさとへ帰ろう)
このお盆には青春18きっぷを使って帰省してきた。と言っても東京で生まれて富山に住んでいるので、フツーの帰省とは逆方向だ。北陸新幹線の敦賀延伸に伴い、北陸の鉄道はほとんど第三セクターになってしまったので、富山は完全に外堀を埋められてしまった。一応高山線という首の皮が一本辛うじて残っているので、完全に陥落してしまった金沢よりはマシかもしれない。
その細い細い皮を伝って東京へ東京へと出掛ける。出発の直前、宮崎で地震が起こり、南海トラフ地震に対する臨時情報というのが出た。これによって運休や徐行運転が出ていて、かなりダイヤが乱れそうだ。高山線はかなり列車本数が少ないので、列車が少しでも遅れるとその日のうちにたどり着けないという状況になりかねない。列車が正確に動いてくれれば8時の列車で間に合うのだが、これで行くのはかなりハイリスクなので、一本早い列車に乗るしかなさそうだ。一本早い列車は5時台の列車である。だがこれに乗ったとしても、接続の関係で到着時刻は同じなのである。しかし実は裏ワザがある。接続の悪い高山と下呂の間をバスでワープするのだ。ところが、なんとこの時間のバスは休日が運休だった。仕方がない、ここはキッパーとして忸怩たる思いだが特急の世話になろう。
シートガチャ
普通列車の座席はロングシートとクロスシートがある。ロングシートは通勤電車でおなじみの窓を背にして座るタイプの座席。クロスシートは進行方向に向かって前向きか後ろ向きに座るタイプ。この方が景色を眺めやすいし、食べたり飲んだりするにも都合がいい。長時間乗る青春18の旅はできればクロスシートに座りたい。ところが最近では、通勤とは無縁のこんな飛騨の山の中までロングシートが来るようになってしまった。確率は半分くらいか。どちらになるかは列車が来るまで分からない。同じ時間の列車でも日によって違うのだ。さて今回は・・・当たりでした。早起きしてよかったな。快適な列車を高山まで満喫し、更に下呂までは最新のハイブリッド式特急でラクラク移動。こういうのは疲れてきた旅の後半で乗りたいところだ。
いつもこういうのが来てくれるといいんだけどな。
下呂で1時間ほど待ち時間があるので、温泉街を散策してみる。共同浴場白鷺の湯で一っ風呂と行きたいところだが、とにかく熱いのである。いや、お湯の話ではない。気温が暑すぎるのだ。汗を流した後にそれ以上の汗をかくのは目に見えている。こういう所は冬に来たいな。
地元のラジオを聴く
旅に出た時、その土地のラジオを聴けるのも楽しみである。もちろん今は課金すれば全国のラジオを聴けるわけだが、なんかそれは違うんだな。岐阜県に入ったので、つボイノリオさんのラジオを聴いてみる。8月9日の放送だから、リスナーの投稿も平和を願い、パレスチナやウクライナを憂う内容が多い。にも関わらず、ラジオネームは、つボイノリオさんのかつてのヒット曲を彷彿とさせる「シモ」な名前が多い。そうだよなぁ、投稿内容毎に名前を変えるわけにはいかないもんなぁ。ともかく、ラジオで自由な事を言えて、不急不要の旅ができるという事は当たり前な事ではないのだと思う。
東海道の難所を越えて
静岡近辺は18キッパーの間で、難所として名高い区間だ。車両は大抵ロングシートで、混雑することが多い。それから列車の接続がいい。これはいい事なのだが、乗り換えの時に席を失う可能性があるし、トイレや食料の調達が不便という事だ。ところが、今日の列車はロングシートとクロスシートのペアでやってきたので、無事クロスシートを確保できた。どうやらこの春から運用が変わったようだ。静岡の乗り換えも無くなったので、遠くまで行く場合は座れる可能性も高そうだ。今日は雲に隠れているが、富士山も見えるだろうし、かなり個人的には大規模な製紙工場なんかも眺められるのがいい。ここはもう難所ではないな。
僕の行く店は潰れる
心配された南海トラフ関連のダイヤの乱れも、数分遅れた程度で特に問題は無かった。昔なら列車が遅れたら、時刻表とにらめっこで予定を組みなおしたりしていたが、今はアプリでリアルタイムで到着時刻が修正されていく。いろいろと便利になり想定外の波乱は無くなった。食事なんかもそうだ。店に入る前から大体の事が分かってしまう。だから昔のように入ってみたら大失敗みたいな事は無くなったが、期待せず入った店が大当たりというような事も無くなり、まぁこんなもんだろうななどと思いながら食べることが多くなった。
かつて職場の近くにおいしいラーメン屋があった。常連客が「転勤でもう来れなくなるんだ。」と店主に花束を持ってくるような、こじんまりとしたアットホームな店だった。ところがしばらくして、ネットに「出汁の味がしない。麺にコシが無い。店主が不愛想。」などと、全く逆の事が書かれていた。それからほどなくして、店は無くなった。それ以来、食〇ログの類は、食べた後に見るようにしている。その方が絶対おいしく食べられる。
今日も実家に着く前にラーメンでも食べていこうと、直感で鳥白湯の店に入った。出てきたラーメンはちょっと個性的だが、季節感を取り入れた今風のおいしいラーメンだった。後日あの時のラーメン屋はどこだったのだろうとグーグルマップを探してみたが出てこない。WEBの方で探してみると、あの日の翌日に閉店の挨拶が載っていた。実は自分が行った次の日に閉店するという事が結構あるのだ。この事が知れ渡ると、入店を断られそうだな。
乗換案内も帰ってきてから見るように・・・いやこれはやっぱり便利だから使ってしまうな。時刻表を持ち歩くのは重いんだよな。ただ、昔のように列車の接続が悪いから、全く用事の無い韮崎で降りてみようなんてことは少なくなった。アプリでは接続の無い列車は見えないのである。時刻表ジャンキーとしては時刻表をそのままPDFにしたようなものがあるといいんだけど。なんだか優秀過ぎるスタッフに不満を漏らす仕事のできない上司みたいになってきたな。
結局優秀なアプリのおかげで、何の滞りも無く懐かしい家に到着となった。(次回に続く・・・かな)
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?