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書きたい。書けたい。

「****って知ってる?」
と、うちの職場で一番うるさいおっさんに突然訊かれる。前に書いたことがあるかもしれない。同い年で、でも、もう、「主(ぬし)」みたいな存在のおっさん。

「****」は人名。今回の芥川賞作家。彼(女)、同じ都道府県の同業者なのらしい。
「いや、知らないです。へぇ。いいなぁ。あ、いや、すごいなぁ。」

彼(=おっさん)が私に声を掛けてきたのは、私がワープロソフトを開いてバシバシと文字を打ち始めたその瞬間。彼の席からは私のパソコン画面が見えるので、時々「絶妙」(?)なタイミングで話し掛けてきてドキリとさせられることがある。今回も声を掛けられた瞬間に画面をスクロールして入力していた部分を見えないようにしてから、質問に答えた。

「僕も100人以上の人から『小説を書けばいい』って言われたし、『買うよ』って言われたし、研究所のときは外国人留学生に『翻訳しますよ』とか言われて、少なくとも100冊以上は必ず売れるはずなんですけれどねぇ。でも、残念ながら一度も書いたことがないんですよ…。」
って話をする。それを彼は普通に聞き流してくれたので、ああ良かった、彼はたぶん少なくとも私が「書く人」だと、「書ける人かも知れない」と思って声を掛けてくれたのではないかと思う(と私は勝手に好都合に理解をする)。

仕事のない3月末まで、シコシコと小説でも書いてみよっかなぁ。