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目的地

眠っていたため目的の駅に到着したことにすぐに気づかなかった。慌てて新幹線を降りる。

慌てたためコートを車内に忘れてしまった。取り戻すのに駅に電話をしなければいけないことを考えると気が重い。電話をするのがとにかく嫌いである。メールで問い合わせられないだろうか。

駅を出ると、バスが待っていた。目的地までの直行便で料金は九千円だという。財布から一万円札を渡そうとし、取り出したお札の色があまりにグリーンなので驚く。それはドル札だった。これじゃないこれじゃないと財布の中を探すと1240円札というのがある。これでもないと呟いてやっと一万円札を見つけ、渡す。

バスの中で少女たちと話す。僕が、好きな部屋に決まると良いねと言うと、彼女たちは、たぶん嫌いな部屋になってしまうと言う。何が嫌いかというと臭いが嫌いとのことだ。別の臭いに変更してもらうことはできないのかと提案してみるが、それは無理らしい。

目的地に着いた。民宿のようなところだ。とりあえずロビーの床に寝っ転がってゴロゴロする。バスを降りた他の乗客も寝っ転がっている。

なぜかずっと自分の部屋へ案内してもらわないままいる。持ってきたカバンを開けてみたら、うまい棒などのお菓子ばかりが入っていて、着替えや下着などを一切持ってきていない。どうするか…。一週間くらいだから同じものを着ていればいいか。

スタッフの女性に声をかけて、やっと部屋へ案内してもらうことにする。その前にまず風呂とトイレを見て欲しいとのことで、見る。

自分が泊まる部屋へ来た。今回はどうやら和室で一人部屋のようだ。目的地に到着したはいいが、何が目的だったのか忘れてしまった。

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