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つよいぞ! かっこいいぞ! 松重豊! 週報025(2021/05/23)

 新文芸坐で行われていた特集「そして世界の“クロサワ”へ」で「ドレミファ娘の血は騒ぐ」と「地獄の警備員[デジタルリマスター版]」、「二人の映画作家が見つめた、流転の果て」で「スパイの妻〈劇場版〉」を観た。3作共に黒沢清さんによる監督作品だ。

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 「ドレミファ娘の血は騒ぐ」では、久しぶりにATGっぽい雰囲気の洗礼を受けた気になって「や、やられたー」みたいな感じになったが、ヒロインを演じる洞口依子さんの愛らしい姿がとても印象に残った。R指定の作品なのもあって作中に登場する女性には大抵ヌードシーンがある。アニメ作品だと、登場人物のヌードシーンがあっても大抵の場合は濃い霧や入射光、日活ロマンポルノ的な精神で配置された花瓶などで肝心なところは隠れてしまうので、映像作品でむき出しのヌードシーンがあるとちょっとびっくりする。びっくりしてストーリーとかがちょっと飛ぶ。そんなことを人に話すと大抵の場合「いい年して何言ってんだこいつ」みたいな顔をされることが多いけれど、だってしょうがないじゃないびっくりしちゃうんだから。

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 「地獄の警備員[デジタルリマスター版]」は、1992年に公開したもののネガが製作会社の借金の抵当になっていたのが2020年に返還されてデジタルリマスターされたものとのこと。内容は、ヒロインがジェイソンよろしくむちゃくちゃ強い松重豊に追っかけ回されるホラー映画で、ドラマ「孤独のグルメ」などでおなじみの松重豊さんの初主演映画だ。ホラー作品は基本的に観たくない(怖いから)のだけれども、どんなに怖そうなシーンでも最終的には松重さんがヌッと出てくる以上のことは起きないだろうと思えば何とか頑張って観られた。軍服を思わせる警備会社の制服に身を包んだ長身の松重さんの姿は、抜群にスクリーンに映える。捕まえた人を入れたロッカーをロッカーごとグチャグチャにするシーンをはじめとして、物理的に強さを感じさせるシーンには胸が躍った。プレデターとかエイリアンとか伽椰子とか何かと戦わせてほしい。「ドレミファ娘の血は騒ぐ」を観た人へのご褒美的なシーンもあり、関連作品をまとめて観られるのは名画座の醍醐味だなと改めて思いながら「プログラムを組んだ新文芸坐の人ありがとう!」といったホクホク気分で劇場をあとにした。

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