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俺の担任はやたらとアピールしてくる


飛鳥:じゃあこの問題を今日は5月31日だから、32番の〇〇。

〇〇:なんで!?

飛鳥:〇〇が32番だから。

〇〇:はぁ...。3x+2です。

飛鳥:正解、さすが私の〇〇だな。

〇〇:別に先生のものじゃないんだけどなぁ。

飛鳥: なっ!誰か彼女ができたのか?浮気だぞ!

〇〇:別にできてないし浮気はそもそも違うし、ただ毎回当ててくるなぁってだけで。

飛鳥:そうか...。それならよかった。でも〇〇は私のものだからな!

小さくガッツポーズしながら言う飛鳥。

教室がざわつく。

生徒A:先生また〇〇に構ってるよ。

生徒B:もはや告白だよな。

生徒C:飛鳥ちゃんに私のものだからとか言われたい!

キーンコーンカーンコーン

飛鳥:よし、それじゃあ授業おわり。

そういって教室を去っていったのは担任の齋藤飛鳥先生。
普段はクールな感じだが、どうやら俺のことが好きらしくちょくちょく俺をかまってくる。


流石に授業中に私のものっていうのはやりすぎだと思うのだが...

生徒A:また〇〇当てられてたな。

〇〇:わかんない問題当たったら最悪だよ。

生徒C:何言ってんだ!間違えて怒られたら最高だろ!

こうして授業も終わり昼休み。各々お昼ご飯を食べながら友達と会話していた。

〇〇:なんで白米が弁当の中に入ってないのにふりかけがあるんだ?

生徒A:じゃあ俺白米あるからちょうだい。

〇〇:やだー。

生徒A:なんで?

ピーンポーンパーンポーン

高校3年A組の〇〇君、齋藤先生がお呼びです。職員室までお越しください。

〇〇:俺か、というかまた齋藤先生か。

生徒A:ふー、好かれてるねぇ。

〇〇:うるせぇ

友達のいじりを躱しながら職員室まで向かう。

〇〇:失礼します、齋藤先生いらっしゃいますか?

飛鳥:おー〇〇。

〇〇:おーじゃないんですよ。なんですか用って?

飛鳥:ちょっと〇〇に荷物運ばせようと思って。  それに〇〇と話したいし//ボソ

〇〇:なんて?

飛鳥:なんでもない!とにかく、荷物運ぶの手伝って。

〇〇:それで運ぶのってどれですか?

飛鳥:パソコン室にこの紙を運びたいの。

〇〇:わかりました。じゃあ運んでおきますね。

飛鳥:なっ、それじゃ〇〇を呼んだ意味がないだろ!

〇〇:このくらいの量なら全然一人で運べますから大丈夫ですよ、職員室で休んでてください。

飛鳥:...一人で運んだら喋れないじゃん!

顔を膨らませながら言う飛鳥。

〇〇:、、じゃあ二人で運びましょうか。

パソコン室に行くまでの道、二人で話している。

飛鳥:最近、どう?

〇〇:どうも何も、いつもと変わらない日常を送ってますけど、

飛鳥:好きな人とか、できたのか?

〇〇:...できてないですよ?

突然の質問に、〇〇は少し驚いて間ができてしまった。

飛鳥:なっ、その間はできたんだなっ!誰だ!?同級生か?

〇〇:...はぁ、まぁ同級生ではないです。年上ですかね。

観念して正直に言う〇〇。


その頃、飛鳥は必死に考えていた。

飛鳥:(まさか〇〇に好きな人ができるなんて!こんなことになるならはっきり好きって言っておけばよかった。
年上か...。〇〇は高3だから、卒業生か?でも仲良い卒業生はいなかったはずだし、バイトもしてない。となるとまさか、、山か!?

山とは山下美月先生のことで、あざといキャラで学校中の男子をメロメロにしているのだ!

飛鳥:(認めたくないけど、山のことを好きになるのはありえる...。というか〇〇はああいうのがタイプだったのか...。)

そんなことを考えているとふと思い立って、

飛鳥:ねぇ〇〇!飛鳥ちゃんかわいい?

〇〇:..なっ、なんですか急に!そういうキャラじゃないでしょ!

飛鳥:〇〇こういうのが好きなのかなって。

〇〇:もしかして山下先生のものまねしてるんですか?違いますからね?僕の好きな人。

飛鳥:なんだ違ったのか...

こうしてまた飛鳥は考え始めた。


一方その頃〇〇は、必死に気持ちを抑えていた
〇〇:(なんだ今の破壊力ありすきだろ!あやうく可愛いって言いそうになったぞ!)

実はこちらもまた先生のことが好きなのである。というかあんなに可愛い先生にアピールされて好きにならない人なんていない。
たださすがに先生と付き合うのはモラル的にちょっとと思っているだけなのだ。

〇〇:ほらパソコン室着きましたよ!ここに荷物を置いて、、よし。それじゃあ僕は教室にもどるので!

飛鳥:えぇ、、。まだ話したいのに、、。あっ!そうだ、今日家庭訪問するから。

〇〇:えっ?急に?

飛鳥:今私が決めた。

〇〇:なんでそんな。

飛鳥:先生特権。お母さんに挨拶しなきゃいけないから。

〇〇:挨拶いらないでしょ...

飛鳥:と に か く、決定事項だからっ。じゃあ4時30分になったら行くからお母さんに言っておいて。じゃ。

そう言って職員室に戻ってしまった。

〇〇:まぁ、仕方ないかぁ。

そう納得してしまう〇〇もやはり齋藤先生に惹かれているのだ。

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そして放課後、家に帰り母親にそのことを話すと

母親:なんでそんな急に家庭訪問に来るのよ、家の中綺麗にできないじゃない!

〇〇:決めたって急に言われたから

母親:断りなさいよ、、

〇〇:無理だよぉ。

ピーンポーン

母親 〇〇:来ちゃった...

飛鳥:失礼します。こんにちは、〇〇君の担任の齋藤飛鳥と言います。

母親:こんにちはー。〇〇の母です。いつも息子がお世話になっております。

飛鳥:それじゃあ〇〇。私はお母さんと二人で話すことあるから。どっか行っといて。

〇〇:なんでですか。

母親:じゃあ〇〇。どうせならあそこのスーパーで牛乳買ってきて。

〇〇:えぇ...どっちも雑ぅ。まあ、わかったよ。じゃあ行ってきます。

飛鳥:いってらー。じゃあさっそく、学校での〇〇君の話をさせていただきますね。

母親:はい、よろしくお願いします。

〇〇:怖っ、ダッシュで帰ってこよ。

何かを感じた〇〇は短距離走の時よりも早くダッシュして、ものの10分で家まで帰ってきた。

〇〇:はぁはぁはぁ、母さん。牛乳買ってきたよ...

そこで耳にしたのは、

飛鳥:こんな風にですね、私と〇〇君の相性は完璧なんです。

母親:確かに、そうかもしれないですね!

飛鳥:なので今後も〇〇君を私に任せていただけると。

母親:もうほんとに、よろしくお願いします。

〇〇:...なんの話?

飛鳥:帰ってきてたのか〇〇。今、私が〇〇の妻にいかに向いているかをプレゼンしてた。

〇〇:は?

母親:ちょっと〇〇。先生に失礼な態度しないの。未来の奥さんになる人なのよ。

〇〇:なんで母さんは納得してんだよ。

飛鳥:それじゃあ私はここで。失礼します。

母親:ありがとうございました。長い付き合いになると思いますので、これからもよろしくお願いします。

そう言って帰って行った。

〇〇:(ものの10分で母さんを納得させてしまうプレゼン資料っていったいなんなんだよ。読んでみてぇ。)

母親:まだ夕飯作ってないから、自分の部屋で勉強しときなさい。

〇〇:はーい。って納得できるか!

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次の日、学校の廊下にて

〇〇:結局言いくるめられてしまった。親に口喧嘩で勝てない。

飛鳥:どうした?

〇〇:どうした、じゃないんですよ!先生のせいで昨日大変だったんですから!第一なんなんですか、いかに妻に相応しいかのプレゼンって。

飛鳥:プレゼンしたら〇〇も納得してくれるかなって。

〇〇:するわけないじゃないですか!

飛鳥:、、そうか。やっぱり嫌か?私が相手じゃ。そうだよな、好きな人がいるんだもんな。

飛鳥は少しうなだれたような顔をした。

その時〇〇の中で抑えていたものが溢れ出した。

〇〇:そんなわけないじゃないですか!可愛すぎるし、意外と心配してくれるし。何よりこんな美人にアピールされて好きにならないわけないじゃないですか!

飛鳥:ちょっと〇〇!?いったん落ち着こ。ここ、

飛鳥の言葉に被せながら〇〇は言う。

〇〇:落ち着きませんよ!第一先生が悪いんですよ!僕が先生を好きってバレたら先生学校追われたりして大変なことになるのに、ずっとアピールしてるんですから!

飛鳥:〇〇、ここ廊下だから。

〇〇:あっ。


周りを見渡すと生徒たちがみんなこちらを見ていた。

生徒A:いいぞー!〇〇

生徒B:幸せになれよ!

生徒C:くそ!羨ましい!

〇〇:うるさい!一回静かにしろー!

それでも静かにならない。

そして誰かがコールを始めた。

??:キース!キース!

その声はどんどん広がっていき

大勢:キース!キース!

〇〇:ちょ、ちょっと!

それでもコールはやまない。

助けを求めようと飛鳥の方を見ると、目を瞑ってキスを待っている顔をしている。

〇〇:これは、もう。無理だな。

〇〇は観念し、そして二人の距離は0になった。


ちなみに飛鳥はこれからも先生を続けられました。授業中にもっとアピールするようになりましたが...

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