免疫学8 体液性免疫~共刺激分子~
みなさんこんにちは、狐です。
今日は抗原提示に関して詳しくやりました。
では図をどうぞ
よければ動画もご覧ください。
ではまとめです。
【共刺激】
抗原提示細胞はT細胞に抗原提示をしますが、このとき樹状細胞のMHCクラスⅡ分子とT細胞のTCRが結合するだけではT細胞は活性化しません。
なんでかと言うと、免疫システムっていうのはそもそも軍隊です。攻撃手段です。
なので自分自身を攻撃するわけにはいきません。
そのため、この抗原提示細胞がそもそも信頼できるかどうか、というのが非常に大事になります。
抗原提示細胞が提示してくる抗原になんでもかんでも反応してると、間違って自分を攻撃してしまう可能性もあるわけです。
キミは本当に信頼して大丈夫な人なん?っていう確認が大事なんです。
その信頼して大丈夫かの確認方法に共刺激分子が使われます。
樹上細胞などが抗原を食べると、その刺激で細胞表面上に共刺激分子を出現させます。
この共刺激分子にもいろんな種類がありますが、その中でもCD80/CD86やCD40が特に大事です。
この共刺激分子の発現量が突出しているのが樹状細胞です。
よって樹状細胞が抗原提示細胞の代表と言われています。
T細胞側にはCD28やCD40Lが発現しており、全部うまい感じに結合できたら、初めてT細胞は活性化します。つまり抗原提示細胞を信頼します。
ナイーブT細胞が活性化するとエフェクターT細胞に分化していきますが、このとき、どのエフェクターT細胞になるのかはサイトカインのバランスで決まります。
なので、ある時はTh1になるかもしれないですし、ある時はTh17になるかもしれないです。
このエフェクターT細胞がまた色んなサイトカインを出して免疫機構を調節してるわけです。
T細胞は免疫系の司令官ですって言ったと思いますが、その命令手段がサイトカインということです。
まとめると、ナイーブT細胞は抗原提示、共刺激分子による共刺激、サイトカイン、これら3つの作用によってエフェクターT細胞に分化します。
【共刺激がなかったとすると】
もしこの樹状細胞がなんかのエラーが起きてしまったものだったとしましょう。つまり信頼できない樹状細胞だったとしましょう。
エラーが起きてるんで、共刺激分子も変な形になっているはずです。
するとMHC分子とTCRが結合できたとしても、共刺激分子は結合していないので共刺激が生じません。
すると信頼できない樹状細胞と唯一結合できるTCRを持つT細胞も必要ないわけです。
なのでこのT細胞はアポトーシスを起こすかアナジーという状態になります。
アナジーってのは応答しない状態です。
つまり信頼できない樹状細胞による抗原提示は信頼できないので、T細胞は死ぬか麻痺します。
つまり共刺激が生じるかどうかってのが、本当に倒すべき敵なのかどうかの1つの判断基準になってる感じです。
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