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独断の映画感想文 君たちはどう生きるか 

過去に映像関係に携わった事もあり、いや単に映画が好きなので😊、一年間に数十本の映画を観ます。
もちろん当たりはずれあるけれど、その中でもわたしのココロにズンとつらぬく映画の感想を書き出します。
あくまでもわたし自身の感想文なので、共感されないかも知れないけどご参考まで。

あ、ちなみに基本ネタバレです。どうぞご注意下さい。


そしてまず最初の作品を。

君たちはどう生きるか
宮﨑駿

まずもってタイトルがこれでいいの?って思うほど、あの本とは無関係。本は出てくるが。
この物語は“おそらく”宮﨑駿本人の幼少期をイメージしている。実体験かどうかはこの際関係ないが、夢の中のようなストーリー展開は観てるものには置いてきぼり感がハンパないと思う。

でも、主人公の少年は母親の焼死という事実に深く深く傷つき、遺体を確認していないためその事実さえ受け入れられない。
しかも母親の妹が次の母親になり、さらに父親の子供を孕んでいる。
妹も彼に負い目があるのか、会ってすぐにお腹を触らせる。そんなの嫌だし、いやらしい。
父親はもう母を捨て、妹を愛している。田舎で東京風をふかし、まるで名士気取りだ。

自分の居場所がないし、いたくもない。

でも周りのばあさん連中に「坊ちゃん、坊ちゃん」と奉られるのは割と気分が良い。
ってのもなんだか自己嫌悪にもなる。。。

自傷行為も思いのほか深く、ちょっとの後悔もあるが勘違いする父親や周りに心配されるのもいいかな、なんてズルさもあったりする。

この辺りの心境、揺れ動きなどをこの映画ではバッサリ切り取る。そりゃ、映画だもの。そんなに丁寧には描けない。でも実際にはいろいろな感情を持って人は生きている。
主人公の年齢(12とか13あたり?)ならそんな感情をコントロールできるわけないか。

で、サギ男はそこを突いてくる。奴は彼だ。
そして物語は妹継母を追って(というていで)少年の「無意識の意識」の中に入っていく。。

この先は彼のイマジネーションの世界が広がって、様々なキャラクターが動き回る。場面もバンバン変わり、いろいろな解釈の余地を残しながら、どこに辿り着くかわからないままストーリーは展開してゆく。

それでも継母を探し当て、少女時代の母親にも会える。自分の中である程度の決着がついたのだろうか?
それは定かじゃないが、少なくとも母親の死と妹のことは受け入れられたのかな。

過去の宮﨑駿作品のオマージュ的なキャラクターや場面設定もあり、ラスト作品なのかなと思いながら鑑賞した。賛否は相当分かれるし、自分自身の解釈もはたしてあっているかどうか。

自信がないが150点(100点満点で)

なんとなく、太宰の小説を読んだ感覚に似ているし、自分がこういう点をつけるいやらしさも感じるのですがね。

ちなみにnoteの師匠白河静夜氏は30点だそうです。

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