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Is a paper rinse necessary?

 皆さんはドリップするとき、リンス(湯通し)をしていますか?僕は基本的にするのですが、最近行ったコーヒー屋さんではしていないところも結構あったので改めて「ペーパーリンス」について検証したいと思います。(リンスとはペーパードリップでコーヒーの抽出をする際、コーヒーの粉を入れる前にドリッパーにおいたペーパーフィルターにお湯をかけ、馴染ませる工程を指します。)

結論としては「リンスはしてもしなくてもそんなに変わらない!」ということです。

 まずそもそもなぜリンスをするのかということですが、僕は次のような理由をもとにリンスを行っていました。

1. 紙の匂いを除去するため
2. ドリッパーに密着させるため
3. ドリッパーとサーバーを温めるため
4. 綺麗なお湯で洗うため

 改めて順に確認していきます。1つ目の「紙のにおい」問題については最近のペーパーは品質も良くなっているから気にならないと言われる人も多いところです。今回実際にリンスして落ちてきたお湯を飲んでみました。僕の感覚では若干紙の匂いを感じましたが、それほど気になることはありませんでした。次に2点目の「密着させる」ところについて、これについては意見が分かれそうです。しっかりと密着させ、ドリッパーの形に整形することが大切だとする意見もあれば(粕谷さん)、ドリッパーに張り付きすぎることで空気の逃げ道を小さくしてしまい、蒸らし工程におけるガスの噴出を妨げてしまうという意見もありました。(岩崎さん)これに関してはどちらも言い分も理解できるので難しいなと。個人的にはペーパーが浮いている方が抽出にばらつきが起きると思うので、毎回きちんと同じように折り、ドリッパーに沿わせることは必要だと考えました。最後に3点目「温める」という点と4点目の「洗浄」という点について。これはその状況によりけりだと思います。事前に温めておくということは大切なことですし、特に冬場などは温度が下がりやすいので必要かもしれません。洗浄についてが基本的に綺麗な状態を保っていることは前提として、「念の為しておく」くらいの感覚ですので大きな要素ではないかと思っています。

 これまでのリンスのメリットを改めて考え直してみても、やはりそこまで必要ではないのではないかと思われます。ということで実際にコーヒーを淹れ比べてみて、飲み比べてみました。レシピは以下の通りです。

レシピ → 畠山大輝さんの基本レシピ(詳しくは調べてください)
ドリッパー → HARIO V60
フィルター → HARIO V60 (一つはリンスあり、1つはリンスなし)

 見た目はリンスをしていない方がフィルターがコーヒー色になり、リンスをしている方は白い部分が多かったです。味わいの違いはリンスをしていない方がまろやかで甘みがある印象、とろみもありました。対してリンスをした方は酸の輪郭がはっきりしていて、すっきりとした仕上がりになりました。正直なところ驚くほどの違いというよりは違いを探せばあるというくらいでどちらも美味しく、結局は好みかなというところ。なので「リンスはしてもしなくても変わらない」と思います。

 ただここからが重要なポイント、なぜこの違いが出たのか。その考察をしてみたいと思います。色々とインターネットでも調べてみたことも含みで書いてみます。あくまで参考程度で。
 
 味わいに違いをもたらした要因には2つあるのではないかと思います。1つはコーヒーオイル成分の抽出の差、もう1つはコーヒー成分の出やすさの差です。

 まず、コーヒーオイル成分の抽出について。コーヒーは焙煎度合いにもよりますがコーヒー豆はコーヒーオイルを含んでいます。リンスの有無によってオイル成分の抽出に差が出ているという仮説です。リンスをすることでフィルターは当然濡れます。フィルターが水分を含むということは水の膜のようなものが貼っている状態だと考えられます。抽出をしていく中で粉から抽出された液体はフィルターを通ってサーバーへと落ちていきますが、オイル分は疎水性(水と混ざりにくい)のためフィルターによってその抽出が阻害されてしまうのではないかということです。対してリンスをしない時には、1投目を注いだときにオイル分も含めてフィルターが水分を吸い上げるためオイルを含んだ状態でフィルターが濡れていくことになります。そのためオイル成分の抽出も多くなるというというふうに考えられます。(金属フィルターなどに比べてオイルの透過率は少ないですが…)だからリンスなしの場合にはボディ感があって甘みのあるコーヒーに仕上がったのではないかと考えることができます。

 次に、コーヒー成分の出やすさについて。コーヒーの抽出は粉にあるコーヒーの成分を液体へと移していく作業なわけですが、その成分の移りやすさ、移っていく順番には違いがあります。大きくは「酸味」、「甘み」、「苦味」、「雑味」の順番で出てきやすいと言われています。つまり最初に出てくる液体は酸味を多く含んでいるということです。リンスをしていないペーパーはより水分を吸収すると考えられますから一番最初に出てくる強い酸の部分を少なからず吸い取っているのではないか。そのためリンスをしている方が最初に出てくる酸もサーバーに落ちていくのでより酸の輪郭がハッキリしてくると考えてみることもできるかと思います。

 ここまでをまとめると以下の通りです。
リンスをしないことでオイル成分の抽出が高くなり、どっしりとしたボディと甘みが感じられる。リンスをすることで最初に出てくる酸の成分もしっかりと落とし、酸の印象度をあげ、すっきりとした味わいになる。といったところでしょうか。
 
 以上のことを考えていくとペーパーリンスの必要性というものについては場合によるのかもしれません。もしかしたら浅煎りのシャキッとしたフレーバーを出したい時にはリンスをした方が良く、深煎りのボディ感強めてどっしりといきたい時にはリンスなしの方が良いのかもしれません。ここまで考えてきてまた新たな検証課題が出てきました。面白いです。

と、色々と考察してきたわけですが、全部検討外れってこともありますから詳しい人教えてください。笑まぁ結局はそこまで味わい変わらないのでどっちでも大丈夫だと思います。紙の匂いがどうしても気になる人はリンスは必須だと言えるでしょう。

あ〜やっぱりコーヒーって面白い。

今日も今日とて最高の1日に。

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