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【読切マンガ】2024年4月~6月【ベスト10】

どうも、マンガ大好き芸人の吉川きっちょむです。
よろしくおねがいしマンガ!

ありがたいことに毎日何かしらの読切マンガが雑誌やweb、アプリなどで大量に世に発表されています。そこで、これまで定期的にその中から話題になったものや個人的に響いたものをピックアップしてまとめてきました。
今回はさらにまとめて2024年4月~6月の中から独断と偏見で決めた個人的な推し読切ベスト10を紹介します!
↓こちらは2024年1月~3月のベスト10

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読切マンガベスト10(2024年4月~6月)

第1位  『勉強はきっとウチらに平等だ!』蚊帳りく

(となりのヤングジャンプ掲載、2024年5月10日)

高校一年生のミーカは家庭の事情で塾へ行くことができなくなってしまう。 それでも志望校に合格するために、同じく塾に通っていないりっぴよに 自習の仕方を聞きに行くことに。志望校に向けて二人で勉強をすることになるが…!?

となりのヤングジャンプ

今回はなんといってもこれ!めっっちゃくちゃよかったです!
まっすぐアツくて友情とその行動に勇気が湧く話でした。
現在放送中の朝ドラ『虎に翼』の序盤にも通ずるテーマ。
それぞれの事情で通いたくても塾に通えないけど、勉強がしたい二人が大学合格を目指してひたすら独学で勉強を続けるが…。
家庭環境やお金は平等ではないけど悔しさを飲み込んで積み重ねた努力だけはどうかどうか報われてほしい、そういう祈りのようなまっすぐな思いが込められていて泣きました。
この家で母親がまともに描かれないのもまともに扱われていないからっていうことだと思うんですけど、だからこそ母親のあの「手」がすごく印象的でした。
現実にはお金や時間、環境という問題が大きく横たわっていて、天才であればそこをクリアすることもできるでしょうけど、まともに勉強すらできない環境に身を置く人でもなく、中間層にいるであろう勉強したくてもさせてもらえない人をリアルに描いててとてもよかったです。


第2位  『ある人』岡田索雲

(webアクション掲載、2024年4月27日)

これは悪夢か、そう思うしかないような何かか。『ようきなやつら』『アンチマン』の岡田索雲が描く、「ある人」の物語。

webアクション

ああ、これはすごい。岡田索雲先生には毎回ガツンとやられてます…。
これまでも、つげ義春先生の『ねじ式』からのオマージュ表現が多かったけど今回はたっぷり。彷徨い探しながら「心と身体」の性を自分で取り戻して肯定する話で強いメッセージ性をひしひしと感じました!
まさにいまの時代に描くべき漫画で痺れました!


第3位 『継ぎ穂』ちょめ

(webアクション掲載、2024年5月21日/個人出版物2022年11月27日)

存在しないはずの本をめぐるファンタジー。5月23日に本作を収録したファンタジー短編集『室外機室 ちょめ短編集』が発売!

webアクション

むちゃくちゃよかったです!
創作の原点を感じさせるのがいいですね。
作者さんが同人誌即売会「コミティア」に参加していたということで、まさにこの物語は同人誌即売会から始まるんですが、そこでなにげなく手にとって買った、ほんの12pの同人誌が開くたびに表情を変えていく、という話。写真にも残せないし買った経緯も記憶も曖昧。ただできることは一つあって…。
映画でも本でもなんでもいいんですけど、いいものを読んだり見たりしたあとあれこれ考えて、この先の展開こうなるのかなって考えたり、あのキャラが実際にこういう場面に遭遇したらどうするかな、とか自分だったらこうするかなとか考えることが創作の始まりって感じでたまらなくよかったです。

5/23に発売された『室外機室 ちょめ短編集』は、今回の短編『継ぎ穂』を4つの短編が掲載されているんですけど、全体を通して統一感があるのがとてもいいんですよね。
それぞれ、日常のふとした瞬間の少し先にある非日常に触れた人たちを鮮やかに描いてます。
表紙から分かるんですけど、描き込みがかなり緻密で、それだけで世界観にグッと引き込まれるんですよね。しかもどの話も日常からスタートしてて最高でした。


第4位 『あおげばとおとしいととしつき』奥田亜紀子

(『キーホルダー』第1号掲載、2024年5月31日)

『ぷらせぼくらぶ』『心臓』などの奥田亜紀子先生の新作読切。今回のテーマが「本」の合同誌『キーホルダー』第1号に寄稿された読切作品。

数年ぶりに会った大人の女性二人。柊さんと遠嶋さんは高校時代からの付き合いだ。
当時、中学時代の友人を介して知り合った小説が趣味な二人は、帰り際にお互いもっと話したいと思い、その日のうちに意気投合。そんな頃から何年も経って、お互い結婚もして、子供も出来たり。
互いの事情に気を遣い合いながらも、それでも散歩しながら出逢った頃のように楽しく話す二人。この二人がいればいつでもあの頃には戻れるけど、当然周囲の環境も変わってるから終わりもあり、現実に引き戻される。
あの頃もよかったし、お互いいろいろ変わったいまもいいんじゃない?と思わせてくれる素晴らしい読切でした。

やっぱり僕は奥田亜紀子先生に絶大な信頼を寄せているみたいで、今回も間違いなかった。大好きです。時間の経過や気持ちの拠り所、ここで起きていないこと、心の繊細で深いところまで描いていて最高でした。

大阪在住だったら『キーホルダー』展に行きたかったな。
7/15までやってるとのことなので、行ける方はぜひ。


第5位 『50 YEARS LATER』石塚真一/story NUMBER 8

(ビッグコミックオリジナル2024年13号掲載、2024年6月20日)

ある朝、空から降りそそぐ陽光と共に、その電話は男に降ってきた……

未来からの声は何を語るのか。『BLUE GIANT』の石塚真一氏&NUMBER8氏が贈る新作SF読切!!

ビッコミ

まだ見ぬ悲しみと幸福を確信してめっちゃくちゃよかったです…!!
朝を迎えた平凡なサラリーマンの元にかかってきた電話は、にわかには信じられない内容で…。
グッときました…。SF×ヒューマンドラマってたまらないんですよね。今回の話はSFだけど会話劇が中心となっていて、ある意味何も起こらないんですけど、心の中では確実に何かは変わっていることはあって、だからこそ強固に変わらないことを期待するような良さがあってたまらなかったです。
個人的には2017年公開の僕が大好きなあのSF映画を少し思い出しました。観てなければぜひ観てほしいけど、タイトル出せば多少察してしまう人がいるかもしれないので伏せておきます。
そのうち「世にも奇妙な物語」で映像化しそうだなと思ったりもしました。


第6位 『SUGAR GIRL』ヤマシタトモコ

(OUR FEEL掲載、2024年6月6日)

「お昼行きませんか?」 白ウサギのような彼女からの誘いは特別なごはんのお誘いでーー。

OUR FEEL

『違国日記』ヤマシタトモコ先生の最新の読切!
すごい。
本能と恋と食と暴力性。めちゃくちゃよかったです!
そして構成がすごい…。入り乱れる時間軸の中で少しずつ見えてくる何か。
読み終わったあと読み返したくなる。
雑誌「FEEL YOUNEG」をはじめ様々な雑誌を世に出してきた株式会社シュークリームが新しく立ち上げた電子女性漫画レーベル「OUR FEEL」。そのOPEN日に掲載されたのがこちらのヤマシタトモコ先生の読切でした。


第7位 『豪雨を待つ』えさしか

【第5回トーチ漫画賞〈準大賞〉受賞作】
(トーチweb掲載、2024年4月10日)

クラスメイトに告白するチャンスを探している女子高生、運頼みで生きてきたガンマン、漂流中のクルーザー、日照りに苦しむアフリカの民…誰もが豪雨を待っていた。
同じ願いのもと、混じり合う果ての物語は誰のものなのか。

トーチweb

すごい!としか言いようがなかったです!
それぞれの人物、関係、行動を進めるために待つ豪雨。
読み進めていくと混乱すると同時に漫画的快楽があり、ヒトと物語の原点について考えさせられました。


第8位 『果たされない歌』矢子園知弓

【四季賞2024年春のコンテスト四季大賞受賞作品】
(アフタヌーン2024年6月号、2024年4月25日)

舞台は1930年代のアメリカ合衆国。白人の人気歌手レジナルドのもとに、かつて彼が歌を教わった黒人のタイロンから手紙が届く。思い起こされる少年時代の秘密と約束。そして10年越しの再会が二人にもたらすものとは。

コミックDAYS

凄かった…。
歌が好きで歌で繋がり歌手になりたかっただけの二人。
それでも時代、差別、人種が壁になり、やがて罪の意識が心の枷となって…。
壮絶に生きた二人のドラマに揺さぶられました…。
↓作者さんの以前の読切


第9位 『ハブ・ア・バッドメモリー』柳葉とと

(となりのヤングジャンプ掲載、2024年4月12日)

病院で血まみれで会ったのは、いつもすれ違う女の子。傷痕はいつか消えちゃうけれど、消したくないものもあるみたい。

となりのヤングジャンプ

めちゃくちゃよかったです…。これまた涙腺にきました。
お互い病院で血まみれで出会ったのは、いつも同じ教習所ですれ違う同い年の男女。それぞれが胸に抱えるもの、傷跡、いずれ消えるもの、消えてほしくないもの。他人には見せない心と身体に傷を持つ二人が寄り添い祈るような読切で大好きでした。こういう傷跡の塞ぎ方もあるんですね。
絵もめっっちゃ好きです!
上の読切『気に食わない女の話。』と同日に更新された偶然にもグッときます。


第10位 『ムール貝のルール』たらちねジョン

(ミステリーボニータ2024年6月号掲載、2024年5月7日)

海の向こうで繋がる、はじまりのヒューマンドラマ。
ブリュッセルを訪れた健太。
木貴巣(きいす)にガイドを頼むが、彼はクセのある人物のようで……!?

ミステリーボニータ

めっちゃよかったです!
24ページと思えないくらいの満足感!
かつての友人に水を売られそうになったのがショックで、突発的に海外・ベルギー旅行へ。そこでついてもらった通訳兼ガイドの気難しそうな木貴巣(きいす)さん。交流を通して見えてきたものとは……。
いいですよねー、ベルギー。実は小学校6年から中学校3年まで親の都合で僕も住んでいましたが、出かけるのが嫌いだったので名所の記憶もだいぶ薄くなってきちゃいました。それでも覚えているほど有名なムール貝や、世界で最も美しい広場と言われるグランプラス、チョコ屋さん、小便小僧など出てきて懐かしい気持ちでいっぱいです。あまり知られてないけど実は発祥地と言われるフリッツ(フライドポテト)や、チョコと並ぶほど知られているワッフルは泣く泣くカットされたんじゃないでしょうか。大人だからビールもかな。とにかく嬉しかったです。
そんな自分のノスタルジーはさておき、この24ページという短いページ数で友人の喪失と自覚、非日常な体験を通しての感動、新たな友人の獲得の予感まで過不足なく描いていてとてもよかったです。


番外編「過去作の再掲載作品」

『不死身ラヴァーズ』高木ユーナ

(別冊少年マガジン2024年6月号掲載、2024年5月9日)

甲野じゅんの人生にたびたび現れる“長谷部りの”という女の子。出逢うたび全力で長谷部に恋するけれど、想いが届くと彼女は幻のように消えてしまう!そのたび身を裂く悲しみが甲野を襲い、そしてまた、彼女は別人の“長谷部りの”として甲野の前に現れる!!出逢いと別れを繰り返し、甲野は入学した大学で、またまた長谷部に出逢う。また長谷部は消えてしまうのか!?それとも今度こそ恋は実るのか‥‥!?

マガポケ

実写映画化を機に、10年ぶりの続きであり10年越しの完結の読み切り!「第一部完」からどれだけ待ち望んだことか…!! ありがとうございます!!


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個人的なニュースですが!
「朝日中高生新聞」でのマンガ紹介連載が4月から始まりました!
『マンガ大好き芸人 吉川きっちょむの読んでアオハる!』

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