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9.ものを見るとはどういうことか

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 見て、習うことは苦手です。情報過多になりすぎてしまいます。あるいは全く情報が取れません。いずれの場合も、対象のどこをどう見て、そして自分をどう動かせばいいのか見当がつかなくなります。

 また2年前の記事(未投稿)からの引用です。 

 ママ友に誘われて、ダンス(ヒップホップ)を習ってきた。
 子供の時にもダンスを習っていたけれど、その時の動きが「今、習っている」似たような振り付けの部分に自動的に出てしまう。目の前の振り付けをしようとしても、昔の自分の動きが再生されてしまう。先生の動きは目で見えているのに、どのタイミングでどこがどう動いているのかわからない。
 先生が個別に教えてくれたものの、レッスン中に直すことができなかった。間違いに気づいたのもやっとこの時点で、それまで「自分では合っている認識なのに、何が違うのかよくわからない」状態であった。

 夏休みを挟んで、意外な解決をみた。
 休み明け、またダンスを習いに行った。今まで、鏡に映る先生の姿を模倣しようとしていた。が、ふと思いついて、先生の後ろ姿を見て真似することにした。そうしたら、美しいかはともかく、動きはリズム通りに行ったのである。

  先生には何度も同じことをしてもらうか、言葉でも説明してもらうか、何か他の情報で伝えてもらうとわかりやすくなります。繰り返される動作を、毎度同じように見るのではなく別の視点・観点からそれを観察します。
 同じ角度ではなく、別の角度からみることでやっと何がおこっているかわかるようになります。また、向き合った状態で動きを教えてもらうより、後ろからや、同じ向きで横にいる状態の動きの方がわかりやすいみたいです。なぜって、私は自分の体と同じ位置と、それより後ろ斜め上あたりから見下ろしている私がいるからじゃないでしょうか。(ホラーじゃないです、これは別の記事で。)

 猫の目は、解像度が低いけれど、動くもの、餌になるかもしれないものに関しては敏感に感じ取るって聞いたことがあります。多分それに近いんじゃないんでしょうか。止まっているものはどんなに見てもわからない、動くと何かあるのがわかる。上の記事だってダンスの動作なので動いているものなのですが、動きの「始点と終点」がわかる、そこから動きの分析、再現、ができるようになるんじゃないでしょうか。

 こうやって観察して、いくつかの動き方パッケージを自分の中に用意して、それをつなぎ合わせて全体的な動きに持っていっているようです。なので、使えるものは再利用しようとしてしまうため、似ているが違う動きの獲得には時間がかかるのだと思います。

つづく


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