文化芸術振興議員連盟による緊急決議についてと、それについての雑感

2020年3月23日に文化芸術振興議員連盟による新型コロナウイルス対策としてのイベント等自粛による文化芸術界の危機的状況についてヒアリングに参加してきました。

ヒアリングでは日本芸能実演家団体協議会(芸団協)https://www.geidankyo.or.jp/に所属する各団体が危機的な現状を報告し、議員からは文化庁の対応への疑問(いまだに対応窓口が設置されていないこと、ほかの省庁が出している支援策以外の方図が示されていないことなど)から、今回のコロナウイルス禍後の大規模イベントの実施まで、様々な意見が出ました。

そのヒアリングを受けて緊急決議が同日採択され、26日には文部科学大臣への要請が行われました。その経過は以下の文化芸術推進フォーラムのサイトからご覧ください。http://ac-forum.jp/2020/03/26/2562/

緊急決議にある文章で重要なのが、「政府の要請に応じ、中止、延期、縮小せざるを得なかった文化芸術イベントについて、事業者の損害に対して、適切な補填・保証、迅速な無利子融資、雇用調整助成金の柔軟運用、キャンセル補償等の救済策を講じる…」です。自粛要請を受けての公演キャンセル等についての補填が言及されています。これを足掛かりに実演芸術が受けている損失の補填・補償が進むことが望まれます。

また、ヒアリングの段階で緊急決議案を見たのですが、そこから緊急決議に至るまでに、若干、文章が変わっています。

例えば、「…フリーランスが多くを占めるアーティストやスタッフ等に生じた経済的損失の補填についても速やかに行うこと…」が「…フリーランスが多くを占めるアーティストやスタッフ等は生活が成り立たない状況にあるため、生じた経済的損失の補填・支援についても緊急に行うこと…」になったり、「…文化芸術イベントや文化施設等での感染拡大防止方策について専門的見地からの明確な基準を政府として責任を持って表明していただくとともに…」が「文化芸術イベントや文化施設等での感染拡大防止方策、再開についての基準について、専門的見地から政府として責任を持って表明すること。また再開にあたっての感染防止差対策についての支援を行うとともに、安全性について国民の理解を促すこと…」となったり。

ヒアリングされた団体からの発言では、「このままではもう死ぬしかないというアンケートが多く寄せられている」という悲痛な声が聞かれました。それが「速やかに」から「緊急に」という文言に反映されていると思います。また、観客の参加が前提となっている実演芸術団体の今後の活動に不可欠な、再開の基準の表明について、責任を持って行ってほしいという声も反映されています。

また、最後、「以上、政府はこの未曾有の危機に対処するため、「文化芸術復興基金(仮称)」設置を含めた前例に囚われることのないしっかりした予算措置と、短期・中期・長期を見据えた文化芸術振興のための力強い総合政策を実施することを求めここに決議する」とあります。これが実施されれば現在危機にある実演芸術団体にとっては大いなる助けとなるはずです。

ただ、公的な機関に頼りきることの難しさ(そして嫌さ)みたいなことは、たぶん多くの人が経験していることであろうと思います。どうにかして、バランスを取りながら立て直していくことが求められるのですが、どこもその方策を見つけあぐねているところだと思います。もはや仮死状態でやり過ごすしかないという意見も聞いています。

とにかく、日本の実演芸術が無くなってしまうことのないよう(いや、無くなりはしないんだけど、今やってる人たちがみんな路頭に迷ったり始めようとしてる人たちができなくなったりというようなことがないよう)、サポートしたい、サポートできるという人は積極的に声を上げてくださるとありがたいです。

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