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小林賢太郎さんと伝統工芸


今日は"小林賢太郎さん"から伝統工芸について語っていきます。

脱線でもこじつけでもありませんって!w




2022年の年末…つい3ヶ月前のこと
たまたま私のYouTubeアカウントに流れてきたこちらの動画


何気なく見はじめて本気で混乱しました。

明らかに冗談も入ってることは分かるんですが、どこからどこまでがホントでウソか判断できない。だってみんな真面目な顔してやってるし。回らないお寿司行ったことないし。そもそもここに出演している方々が芸人さんだなんてこと知りませんでしたから…(私はエンタメに弱い)
こんな紛らわしいのを本気で企画して作ったのは一体だれなんだと気になって調べて、はじめて小林賢太郎さんの存在を知りました。


それがきっかけで、次に彼の脚本・演出の舞台作品"うるう"のDVDを購入しました。


ラーメンズや小林賢太郎さんのハッシュタグでこのnoteを読んでいる方は、突然そこいく!?と驚くかもしれません。
小林さんがコンビを組んでいたラーメンズのコントや彼のソロ公演、脚本作品などのほとんどがYouTubeで無料公開されています。中にはうるうのようにDVDを買わないと見れないものも少しあります。
私は無料の動画ではなく、"鮨"からいきなり"うるう"のDVD購入に走り…いやポチりました。

私は自分を元気にしてくれるもののためには出費を惜しみません。(といっても他には漆器か料理の食材かのどちらかくらいなのですが)
有料コンテンツってことは、"元気カロリー"も高そうですよね。年度末の繁忙期に向けてカロリー高そうなものをまずグビっとチャージしたい時期でもあったので、元日にでも見ようと思ったのです。

感想…満腹です。消化不良。

消化酵素を摂取する必要があったので、私が次にとった行動は、YouTubeで彼のコント動画を見ることでした。ソロ公演は全部見ました。ラーメンズ時代のコントはまだ10くらいです。

ずーーーっとソロで喋り続けていることもあれば、終始何も喋らないで表現することもある。
ものすごく自然に不思議なことをやりまくるパフォーマンスとかは、一体どういう仕組みなんだと思うけれど、ひたすら体に叩き込ませることでしか実現しえないことに気づき、圧倒される。
過去のコントから最近のものになるにつれ、動きが違う、話し方が違う、同一人物なのかと疑うほどに。


人が思いつかないことをして楽しませたい。人が思っても形にしようとしないようなことを、形にして驚かせたい。
そのために一人の人間がさまざまな表現を獲得していくさまをまざまざと見ることができます。もはや、修行。そしてその修行の結果の集大成が"うるう"だったのかもしれない…こりゃハイカロリーなわけだ。


したい表現を実現するためには、ないモノは自分で作るし、したいパフォーマンスがあったら猛練習してできるまでやる。こうして文字にすると、努力ってそんなもんじゃんと思われるかもしれませんが、これを全力でできる人、実現させられる人は絞られます。


そして先月、彼のnoteの存在を知ってしまいました。



記事は有料です。ポチり。


「買い支えることは慎重に」と前回の記事で書いておきながら、即有料コンテンツポチってるやん!と思われてそうですが
いえいえ、彼が自身のペースで発信するエッセイを定期購入しているようなものなので、問題はないはずです!キリッ


それにしてもこのnoteの機能には感心してしまいました。小林さんへの投げ銭ができるなんて。
いや、小林さんへの投げ銭というのは言い訳で、自分へのドーピングですけど。
今こうしてめちゃくちゃ忙しい時期に仕事しながらnoteを連日投稿できているのは、実はドーピングのおかげです。

まだ気になる項目から拾い読みししかできていませんが、良いこと書いてあります。表現の仕事を目指している若手のために書いていることが多いですが、真髄の部分はどんな人にも当てはまるものだから勉強になります。
つまずいているあなた、頑張っているあなた、疲れているあなたにお勧めします。

とはいえ、私は小林さんの作ってきた全てに好感をもっているわけではありません。もちろん好みは人それぞれですから、これはあくまで私の好みの問題です。初期の頃のものの中には、たまに過激な言動のものや個人的に合わないものもありました。過去のコント動画をいくつかと、小林さんのnoteをいくつか拝見して思ったことは、今の彼だったらこの部分はもうちょっと違う感じにしたかもしれないな、と思う部分もあります。

でも彼は過去の自分もしっかりと見せている。そこが彼のすごいところだと私は思うのです。
人は最初から、まわりにはっきり伝えられる意志や思想をもっているわけではない。失敗したり、いろんな人のなかで揉まれたり、ひとりになって考えたりを繰り返しながら思想が固まっていく。
トライアンドエラーをいくつも繰り返し、繰り返して、今の小林さんが出来上がってきたのということをひしひしと感じることができました。


彼は、脚本家、演出家、役者の三つを兼任で、コントや演劇の作品をいくつも発表してきましたが、"うるう"公演を最後に役者を引退して、脚本・演出に専念する決断をしました。
そして一昨年からは、彼はこのnoteという媒体を使って、自分の想い、そしてこれまでの経験で得たことを綴りはじめました。YouTubeの動画もどうやらそのころに整理してアップしたようです。

なぜ彼が全てを出すことにしたのか、最初は疑問でした。自分でなんでもやることはとてもハードだったはずで、それを無料で公開するって…。エンタメが無駄に消費されてしまうのではないかと勝手に心配になりました。

彼はこのように書いています。

自分の書いた脚本を一番理解している役者は自分。脚本家が役者に作品の意図を伝える必要がないからより理想に近づける。それにリスクを負うのは自分だから、まわりに極力迷惑をかけなくて済む。全部自分だからこそ楽な気持ちもあった
小林さんnoteから要約


でも…


こんなに練習してもウケなかったらどうしよう。
時間と体力が全て無駄になるかもしれない。

発表するまではとても孤独な作業だと思います。

多くの人は、それを天秤にかけてしまう。
リスクがあるものは極力挑戦したくない。

でも彼は実行した。

演じ手であるうち、彼はおそらく自分の保身になるようなこと、辛かったことや抱えたハンディキャップ、作品の言い訳になるようなことは何も言わなかったのだと思います。うまくいかなかったことは、次の作品の原動力にしてきた。演じ手であるうちは、彼の全てが演じ手だった。演じ手を演じ切ったのでした。

そして最高のパフォーマンスをして、引退しました。

そこからしばらくして、YouTube無料公開、noteへの執筆活動開始。そして、今年に入ってから彼はこのnote上にもうひとつのコンテンツ、有料のオンラインシアターを開設しました。これからは自身の脚本作品をここで配信していくようです。


役者を引退したと同時に、彼は相手を信じる決断をしたのだと思います。専門で演じ手をやっている方や、若手に活躍の場をつくることにしたのです。
修行を終え、失ったもの、得たものをこれからの若手に伝える、そして今度は皆でつくっていく決断をしたのです。
散々苦労して演じ手もやってきた彼ですから、きっと彼らの気持ちが分かる演出家・脚本家だと思います。そして、彼の本気を目の当たりにさせられて、本当にやる気の満ち溢れた有望な演じ手さんが、彼のまわりに集まってきそうですよ。

彼のやったことはこうです。


自分のしたい表現を実現するため、トライアンドエラーの繰り返し
リスクを負いながらの修行
自分の意図や意思が固まっていく
そして裏方へ


全線で活躍しつづけることだけが全てではない。次の世代へ引き継ぐというのは、伝統工芸の世界にも共通することですね。

きっかけは常にオープンに設けて、そこから興味を持ってくれた人に対してはしっかりと道を作って自分の作り上げた世界へと案内してくれている。


これも小林さんが実行していることです。
そして、伝統工芸の世界もそうありたいものだなと思いました。

たくさん書いてきましたが、私はまだ小林さんの存在に気づいて2ヶ月です。
ズレたこと書いていたかもしれません。よく知らないのに書いて、ファンの方にも小林さんにも失礼があったかもしれませんが、素直に感じたことを書かせていただきましたm(_ _)m

小林さんからはこれからも元気をもらえそうなので、楽しみに、これからも追いたいと思っています。
あと、この方、頑張りすぎちゃう傾向がある気がするので、安否確認も兼ねて!


実は小林さんの影響をうけて、私もこのnoteを使ってやってみようかなぁと考えていることがあります。来月かな、再来月になるかな、そのあたりに。おもに漆刷毛使用者の皆さまに向けてのコンテンツですが、そのときにはお付き合いいただけたら嬉しいです。

この投稿を読んでくださっている方の中に小林賢太郎さんの作品をよく知っている方がいましたら、おすすめの演劇作品を教えていただきたいです。長いものはまだうるうしか見れておらず、次はどの長編作品を見ようかなと迷っています。今の仕事の繁忙期が落ち着いたら見たいので教えていただきたいです。


最後に一言。
もうすぐ2月が終わりますね。今年はうるう年ではないけれど、2月28日の夜にでもうるうを見てみてはいかがでしょうか?(推し)


ちなみにタイトル写真は先日購入した小林慎二さんの漆の飯椀です。漆刷毛を作っている私にとって、これも元気の源!!


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