見出し画像

こたえは線にあって


『こんなブラックジャックはいやだ』
という作品をご存知の方も多いと思います。

作者の つのがいさんは、
手塚治虫作品のファンではなかった、
それどころか"全然違った"という
エピソードをウェブ上のどこかの記事で読み、

本当にびっくりしました。
では、何故ここまで描いているのか。

短いけれど、記事の中にあった
納得の答えを読んだ時、
すこしだけシンパシーを感じました。

"線が好きなんだ"というこたえ。



わたしの仕事は着物の着付けです。

自分も表現したい"線"がある。

つのがいさんにシンパシーを感じたのはその部分でした。

本当はつのがいさんだけではなく、

"線"にひとつの答えを持っていて

わたしが強く共感したり
感動したりした
クリエイターの方が、

他にも何人かいらっしゃいますが、
ここでは割愛いたします。




着付けのラインで
"東京"を表したい。

今まで殆ど言葉にしたことのなかった
自分の理想の具体的なかたち。

一生かけると誓った仕事の
最終目的。

この年の瀬、思わぬタイミングで
1人の時間がたくさん取れたため、
仕事のことを考え続けていました。





当然ながら、着付けは
お客様のための仕事です。

着る方の美しい着姿のため、
そうでなければ、意味がありません。


ではその時、
わざわざ銀座までお越しいただいた
お客様に、

着姿とともに、
一体何を持ち帰っていただけるのか。


美しいお着物とともに、

"東京"を身に纏って
おでかけいただきたい。

これこそが、
何度考えても揺らぐことのない
結論でした。

日々の仕事を通して追っている理想であり、

仕事を続ける意味、
そのものにも近いといえます。






今年は、「いつも」と呼べるような
日常が有った一年でした。

一週間を早いと感じ、それを
翌週も繰り返すことができる幸せ。

まる一年、そのように平穏な日々でした。
心から幸せで、ずっと続けたくて、
今いる場所で
力を尽くしていた、のに。

それが、また変わろうとしています。

静かに過ごしていたのに何故か、
色んなことを変えなければいけないという
巡り合わせが来て、

また何もかもが変わろうとしています。


それでも、

どんな時も、仕事からは手を離さないと
誓った日が有ったから

その日から今日まで、
続けてくることができたから


来年も、何がどれだけ変わっても


"東京の線"を表す、着付けの仕事に

生きてる時間を捧げようと、
思いを新たにする、年の瀬です。




もし偶然にお読みいただいた方、
最後までありがとうございました。

どうぞ佳い新年をお迎えください。


来年は縁起が良いといわれている、

辰年です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?