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ROEを利用した株式投資

1、はじめに

ROEをみなさんはご存じですか。株式投資をする上で大切な要素はいくつかありますが、今回はROEについて取り上げます。
ROEは自己資本利益率のことを示し、企業の経営指標となります。
ROEを取り上げたかったのは、私が株式投資をする上で参考にしている指標ともなるからです。私がROEを参考にするようになったのも「オニールの成長株発掘法」という本を読んだのがきっかけでした。その本にはウィリアム・J・オニール投資法について細かく書かれており、成長株を抽出するためのヒントが書かれています。その中に最高クラスの勝ち銘柄を厳選するための一つの条件としてROEの数値が示されています。(具体的な数値に関しては後半で示します)
私の投資スタイルはトレンドフォロー(株価が上がっている時に買い、下がっている時に売る)で、右肩上がりに株価を上げている銘柄で、一度一呼吸置くかのように少々株価を下げた株が最高値更新を狙うタイミングを取りに行く投資スタイルとなります。この投資スタイルは上述した「オニールの成長株発掘法」を参考にしたものとなります。私はこのスタイルを確立するようになってから、ポジションをとる際に含み益でスタートすることが多くなり、含み損でスタートすることが少なくなりました。その投資スタイルを支えるROEについて知ってもらうことで、私の投資方法についても知ってもらえたらと思いROEについて取り上げます。

2、ROEとは?

ROEを簡単に言葉で言い表すと、「株主のお金をどれだけうまく運用しているか」というものです。
ROEは「Return On Equity」の略で、日本語で「自己資本利益率」となります。ROAとの違いについても気を付けなければいけません。(ROAについては次回以降取り上げていきます)

ROEについて

ROEは次の計算式により算出されます。

ROE = 当期純利益 ÷ 自己資本 × 100

 ROEは20世紀初頭に起業のマネジメントのために開発された指標で、投資指標として近年では注目されています。日本ではバブル崩壊後、外国人投資家がROEを投資選定基準にしたことを皮切りに、意識されるようになりました。ただしこの時、ROEが日本人の投資家にROEが定着することはなかったのでした。その後、ROEが投資選定基準として意識されるようになったのは、2007年に企業年金連合会が「ROE8%基準」を制定したこと、また、2014年以降にはアベノミクスによる「コーポレートガバナンス改革」をきっかけに、徐々にROEが投資指標として注目されるようになりました。

3、ROEの数値の仕組み

上の計算式からROEの増減について考えてみます。
 ROEの増減はこの式から見てわかる通り、「当期純利益」と「自己資本」の増減が数値に影響してきます。この式をもとに実際の企業活動においてどういった事象がROEの数値に影響を与えるかを考えていきます。

ROEを上げる要因
➀当期純利益を増加させる
◆事業の拡大
・既存ビジネスの成長
・新規事業への参入
・M&Aによる事業規模拡大

◆商品の値上げ
・ニーズの増加による値上げ

◆コスト削減 
・安い仕入れ先の調達
・機械化による人件費の削減

➁自己資本を減少させる
◆株主への配当を増やす
  →配当は自己資本から支出するため自己資本が減少する

◆自社株買い
  →株主への配当と同様に自己資本から支出するため自己資本が減少する

ROEを下げる要因
➀当期純利益を減少させる
◆事業の不振による利益減少
・既存ビジネスの後退
・新規事業の失敗

◆コスト増加
・仕入れ先の値上げ
・資源の高騰


4、具体的なROEの数値について

ここでは、ROE数値の目安と各WEBサイトROEの掲載しているROEの数値を示します。また有名投資家が目標するROE数値、業界No.1の日本企業45社のROE数値一覧も示します。(2020年4月現在)

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