後十字靭帯損傷について
今日も柔道整復師、理学療法士、整体師の方、新人の方に向けて、僕の実際行っていることや考えについて書いていきます
今日は後十字靭帯損傷について書いていきます
後十字靭帯損傷の発生機序
後十字靭帯損傷の発生機序の多くは膝を衝いて転倒だと思います
後十字靭帯損傷が起こる時は、膝を衝いた際に足関節が底屈であることがポイントになります
足関節が底屈位で膝を衝いた状態では、地面には脛骨の近位端が衝く状態になるので脛骨の後方移動が生じることになり後十字靭帯損傷が発生します
足関節が背屈位で膝を衝いた状態では、大腿骨顆部が衝く状態になるので、膝蓋骨骨折や高齢者であれば大腿骨顆上骨折の屈曲型が起こりやすくなるのではないかと思います
後十字靭帯損傷の経過
後十字靭帯損傷は、保存療法で治癒しやすいと思います
①前十字靭帯に比べて、後十字靭帯は太さが2倍でそもそも完全断裂しにくいこと
②滑膜組織の被覆が豊富であること
固定としては3週間の伸展位固定を行い、その後は膝が伸展位で拘縮するので、拘縮に対する施術、膝窩の硬さをとる施術、筋力強化を行います
このような形で施術を行えば普通に良くなっていくイメージです
教科書上も予後が良いと記載がありますし、自分の経験上でもその通りだと思いますが、1つ問題が起こることがあります
後十字靭帯損傷後に起こりやすい障害について
後十字靭帯損傷後に起こりやすい障害については、PF関節(膝蓋大腿関節)の障害です
後十字靭帯損傷があった方は、膝蓋骨の動きの悪さや膝蓋下脂肪体の硬さがあり、膝前面の痛みを将来的に訴えてくる方が多いイメージです
これには、ちゃんと理由があります
後十字靭帯損傷を見逃してしまったり、固定を行わなかった場合には、もちろん靭帯が治癒することがありません
そうなった場合には、脛骨が後方に落ち込む状態になります
そうなると、膝蓋骨が大腿骨に押し付けられる状態になるので、普段から刺激が加わりやすくなり、動きも悪くなってきます
結果、膝蓋下脂肪体の動きが悪くなり痛みを引き起こしやすくなるわけです
まとめ
後十字靭帯損傷においては、将来的にPF関節の動きが悪くなることがあることを患者に伝えておくことも良いかと思います
膝蓋下脂肪体や膝蓋骨はセルフで動かしてケアすることが出来ますのでしっかりと患者指導していきたいですね
施術の際にも、膝窩の硬さをとるのに加えて、膝蓋骨周りの柔軟性を高めるのもおすすめです
明日も臨床頑張りましょう
ではまた
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