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内側広筋の作用について

今日も柔道整復師、理学療法士、整体師の方、新人の方に向けて、僕の実際行っていることや勉強した内容ついて書いていきます

今日は内側広筋に作用について書いていきます

内側広筋の機能

大腿四頭筋は大腿直筋、中間広筋、外側広筋、内側広筋で構成されますが

内側広筋は筋線維束と大腿骨長軸のなす角度が遠位にいくにつれ鈍角化していきます

大腿骨長軸に平行に走行する筋ほど、膝関節屈曲位で伸長されます

大腿骨長軸に平行に走行していない内側広筋は屈曲伸展に影響を受けにくいとされています

ではどこの角度で張力を発揮するのかというと最終伸展域で発揮すると記載があります

つまり、内側広筋の筋力低下がある状態では自動運動で膝関節を最終域まで伸展できない現象が起こります

これを『extension leg 』といいます

原因としては内側広筋の萎縮が挙げられますが、内側広筋の筋力強化を行なっても改善しないこともあります

改善しない傾向があるのが、人工膝関節全置換術後の内側広筋萎縮です

内側広筋萎縮の原因(術後)

①手術の進入による原因

内側部を切開する例では、微細な栄養血管の損傷、駆血による筋線維の栄養障害が起こる可能性があります

血管を損傷して、血腫が溜まると筋収縮がうまくできず収縮不全になり内側広筋が萎縮するケースがあるようです

②神経原性筋萎縮による原因

内側部を切開する例では、神経損傷が起こる可能性もあります

内側広筋には大腿神経の分枝が最も豊富に存在していたとの報告もあります

また伏在神経といえば知覚枝で有名ですが、一部の伏在神経の運動枝が内側広筋に到達していると示している論文もみられるようでした

なので、セッティングなどの等尺性収縮を行なっても内側広筋の機能が改善しないのは神経の運動枝に損傷や問題があるという可能性も考えられます

膝関節でいえば、内側広筋が重要であるのは有名ですが、なぜ重要なのかを理解することが本当に大事だと思います

筋力強化でいえば、

・筋線維を太くすること(筋力強化)
・筋をうまく使えるようにする(神経筋再教育、促通)

のは全然違います

高齢者においては、神経筋伝達の部分の影響がありうまく筋が使えないことによって、ふらつきや疼痛が出やすくなるケースが多いように思えます

しっかり理解してアプローチしましょう

明日も臨床頑張りましょう

ではまた

参考 運動器のなぜがわかる運動学


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