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斜角筋症候群に対するアプローチ

斜角筋症候群とは

斜角筋が緊張し、斜角筋隙が狭小化したことにより、腕神経叢が圧迫され症状を呈す疾患になります

斜角筋症候群はイカリ肩が多い印象があります

イカリ肩により発生するTOS(胸郭出口症候群)は斜角筋が原因となることが多く、上肢下垂によって症状が増悪するパターンが多いとのことでした

ほか斜角筋が原因のTOSでの症状として、背部までの痛みがあるとされています

これは肩甲上神経、肩甲背神経、長胸神経は斜角筋隙の間から分枝するので、肩甲帯周囲の放散痛は斜角筋隙での問題が多いとのことでした



なので肩甲上神経、肩甲背神経、長胸神経は斜角筋隙を通って、ほかは通過しないので、肩甲骨周囲の痛みを訴える場合は、斜角筋の原因の可能性が高まるということでした

ただ、イカリ肩に多いからと言ってなで肩に斜角筋症候群が起こらないわけではありません

なで肩であれば、第一肋骨が下制し、斜角筋に牽引ストレスが常にかかります

結果、斜角筋隙が狭小化し圧迫ストレスになることがあります

なので、イカリ肩、なで肩にとらわれず検査を行い判断することが大事だと思います

斜角筋に対するアプローチ

斜角筋の触診を押さえておきます

胸鎖乳突筋のすぐ後方に指を当て、患者に深く吸気を促します

骨のように硬くなっている前、中斜角筋を触れることができます

斜角筋周囲には腕神経叢や鎖骨下動静脈や迷走神経などが分布しているため、思ったよりもソフトに触ります

前斜角筋を優しく触れた状態で、他動的に頸部の屈曲を反復します

中斜角筋は優しく触れた状態で他動的に伸展と側屈を反復します

イメージとしては、アスターのように筋を把持してストレッチをかける様にしています

鎖骨下筋に対するアプローチも行うと効果が増大します

鎖骨下筋が緊張、短縮すると第1肋骨が下制します

結果、斜角筋の緊張や、肋鎖症候群を引き起こすきっかけになりますので緊張をとるようにしています

手技を始める前には、物理療法で温熱を加えてから行うと効果が見込みやすくなる印象です

料理でも、凍っている肉を手で温めて解凍はしないですよね

電子レンジで解凍するはずです

物理療法を正しく扱うと治療時間短縮にもなりますので活用しています

緩めるのが難しい筋ではありますが、様々試していきましょう

明日も臨床頑張りましょう

ではまた


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