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手鏡日録:2024年5月11日

土曜日は子どものスイミングスクールがあるので、気温が上がった昼前に出かける。
晴れて暑く、風が強い。太陽フレアに起因する磁気嵐が発生しているらしいが、それとこの強風とは関係ないだろう。風にはまだ湿気がうっすらとしか含まれていないので、なんとか呼吸ができている。
コロナ禍での中断期間はあったものの、再開したスイミングスクールで子どもたちはバタフライにまでたどり着くことができた。クロールも平泳ぎもはじめは頼りなかったのが、今では健気に水を切って進み、いっぱしの泳ぎになっている。
しかしバタフライである。未体験のドルフィンキックに、子どもたちは苦戦している。尺取虫のようにぎこちなく、進むともなく水を沈んでいく。最初のひと蹴りは威勢がよく、水面に目まぐるしいきらめきをもたらすのだが、二度三度と蹴るうちに勢いを失い、あかるい水を徐々に曇らせていくのだ。ただ、動いている限りは脚には水のまばゆさが纏わりつき、この先の熟達に期待を感じさせる。続けていれば、なんとかなると思わせてくれる。
泳ぐ子どもと水のうねりを眺めていると、軽い眩暈を覚えた。これも多分、太陽フレアのせいではないだろう。

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