シェア
楠本奇蹄
2021年9月4日 14:50
ハンカチをひらいて旅人の温度良く晴れて孤島が見える敗戦日蛇消えて油に曇る実家かな恋終はらせよジェラートに舌の痕誰かの零したペンキに月日つくつくしみづ満ちて桃に時間の痣昏く蜻蛉とんぼ肺は空へとひらかれて木槿より子音漏れ出てゐる薄暮おしやべりと絵の具のあいだ小鳥来る書架に置く五体どこかに秋の海✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳