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楠本奇蹄
2024年3月3日 09:57
道化師のまなざし溶けてしやぼん玉蝶沈む残照を野のなぐさめにクロッキー手が平熱を苦しめばらんちうは誤植のやうな泡を醒めまなぶたに血管透けて遠き雷八月や千円札に血の掠れ手花火のあとさきに頰もてあましきちきちばつた空のいづこも苦からう忘れた鞄が流れ星を生んだ湯に浮かぶ躰は月の器として黄落や眠りの満ちてゐるやうな鷹の弧へ肉はほろびぬニュータウン聖ザビエル祭の