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【将棋】人生にも通ずる名人の言葉「二回目のミスをしないようにする」~指す将順位戦対局振り返り~

「二回目のミスをしないようにする」

 森内俊之十八世名人の言葉である。一回目のミスであればリカバリーが効く、でも二回目のミスは致命的になる。そして、一回目のミスの動揺により二回目のミスは誘発されやすいのでなおさら気を付けないといけない。

 私はこの言葉は人生の何事にも通ずると考えている。


第5期指す将順位戦入れ替え戦

 私は今期A級3組に所属して4勝7敗でリーグ戦を終えた。

 なんとか降級を回避して下のクラスとの入れ替え戦に進み、

 2020年11月7日23時、その時がやってきた。


対局準備

 前日に15局ほど将棋倶楽部24で対局をしたのだが、5勝10敗と大きく負け越し、調子が良いとはいえなかった。

 対戦相手の方の棋譜をみたところ、居飛車を多く採用されていたので、こちらは振り飛車にして対抗形の将棋にしようと思っていた。


対局開始 序盤

4手目 △4四歩

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 初手▲7六歩からお相手も角道を空けられたので▲6六歩。

 そこでお相手は△4四歩とされた。これには意表を突かれた。まだ戦型はわからない状態だが、はっきりと居飛車で来られると形を決められない指し方をされている。

 おそらくお相手も私の棋譜をみて何か作戦を練ってきているのであろうと思った。

24手目 △2五歩

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 戦型は、私が三間飛車、お相手が向かい飛車の相振り飛車になった。

全く想定していない戦型かつ、ほとんど実戦経験のない将棋になったので、こちらとしては完全に相手のペースに飲まれた序盤となった。


お人良しが馬鹿を見る

46手目 △4六歩

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 局面が進み、中盤戦。

 私は8筋に飛車を振り直し、棒銀の攻めを見せたところで、お相手も2筋と4筋の歩を突いて動いてきた。

 前回の対局で私は、相手の歩に余計なお付き合いをして好機を逃している。

 そして本局でもその悪い癖が出た。全く過去の失敗を活かせてないのである。お人良しもほどほどにしてほしい自分。お相手の歩の突き捨てに「はいはい」と対応して問題が起きる。

49手目 ▲4七歩

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 余計な歩打ち、構わず▲8四歩と攻めて問題なしだった。お相手に△4五飛と7五の銀取りの好位置に飛車を移動させるお手伝いをしてしまう。


誘発される二回目のミス

51手目 ▲8四歩

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 先ほどの▲4七歩を悔やんでそればかり考えていた、そして、ほとんど手拍子のようにこの▲8四歩を指した。

 これが一番の大悪手。二回目のミスは取り返しがつかない。

 △7五飛と銀をとられ、こちらも▲8三歩成と攻め合いになるが、次の▲7五歩で飛車先を止められ攻めがとん挫する。

 ここは▲7六歩と銀にひもをつけて穏やかにしてから▲8四歩とすれば何も問題なかった。


惰性の粘りをみせるも敗れる

108手目 △4四桂

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 正直中盤のミスの後すぐに投了したい気持ちであったが、やはり最後までは指そうと粘ってみた。

 途中お相手にも緩手があり少し差は縮まってきた箇所もあったが、最終的には相手玉に全く怖い部分なく敗戦。

 上図以降詰みまで指して投了した。


今期の全対局が終了

 この対局の結果により、私はA級3組を降級し、来期はB級1組で指すことになる。

 半年間の集大成ともいえる対局が一番悪い出来であったことは拭えない事実であり、自分の弱さのみを知らされる今期の指す将順位戦となった。

 さいごに、運営をされている皆様、対局や観戦して頂いた皆様に感謝。

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