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「想像力が大事」というけれど

「世界を救うのは、いつだって想像力だ」というキャッチコピーを持つ映画がある。中川大志・岡山天音主演の最高にファンキーな映画。4/29公開。

想像力が世界を救う。これには全力で賛成できる。人とのトラブルを起こす種は大体「想像力が足りなかったから」起こるのであって、それさえあれば大抵の問題ごとは避けられるはずなのである。

そう、そのはずだ。

でも私には、どうしても想像力より「一言でも申さねば気持ちがおさまらない」と思うことのほうが多い。これは私だけではないんだろう。きっとみんなひとりひとりが、胸の内におさめているだけでは我慢できないことのひとつやふたつ、抱えているはずだから。

そんなときのための想像力のはずなのに。「これを言ったら、相手はどう思うだろう」とか。「どれだけ相手を傷つけるか分からないぞ」とか。少し想像してみるだけでいいのに、どうしても我慢ならないのだ。

我慢できずに言ってしまった……という失敗談のほうが、私には多い。それでもこの間、言いたいと思ったことを我慢して穏便に済ませられた稀有なケースが発生したので、それについて書いておきたい。



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