ちょっとほっこりセンサーが発動した朝
先日お気に入りのカフェへ行き、揚々といつものメニューを注文しようとした矢先、手が滑って台ごとメニュー表を引っくり返し床に落とすという偉業を達成した。
何が起こったのか分からず、私も店員さんも目を見張った……。どういう物理的な力が働いて手が滑ったのか、まったく分からなかったからだ。
お店の備品を、すみません……と恐縮しながら即座に拾おうとしたところ、「大丈夫ですよ~~ここにあると不安定ですよね、ほんとにすみません!」と店員さんがささっと直してくれたのだ。
ちょっと、ほっこり……。こちらの不手際をなかったことにしてくれるばかりか、恥を欠かせないよう「我々のせいです!」といった姿勢を示してくれる。「今日もご来店ありがとうございます!」とまで言ってくれて、覚えてくれてるんだ! と80年代女学生並みにときめくオマケつき。接客業の鑑。
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その直後、10代らしき男の子が来店し、私の隣の隣の席へ座った。少し迷ったあと、彼が注文したのは、なんと……。
「カルピスをお願いします」
か、カルピス! 確かにメニューにはカルピス、あるけども! ◯◯珈琲と店名に「珈琲」がつくこのお店で、あえて背伸びもせず、今もっとも自分が飲みたいであろう、か、カルピスを頼むとは!
カルピスがゲシュタルト崩壊しそうになりながら、ほっこりに包まれた。朝から予期しないほっこりに立て続けに襲われ、私のほっこりセンサーは大満足。些細なことだけど、この「ちょっとほっこりセンサー」、あるのとないのとでは日々の楽しみが全然変わってきますよね。
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私も、誰かのほっこりになりたい。
1日の終わりにふと思い出してくれるような、ほっこりを届けられる人になりたい。
だがしかし、このほっこりは少々難しい……。ビギナーが狙って出せるものではないし、百戦錬磨のプロでも調子が悪いとまったく出せないのだ。
あなたは最近、いつ「ほっこり」を感じましたか?
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