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『かすり傷も痛かった』 - 反省しながら生きていく

20代は働けるだけ働く。
心身体力があるうちにたくさん働く。

現代の働き方改革、ワークライフバランスからは少し離れているかもしれないが、そういう思いで20代は過ごしてきた。

周りを見ていても、仕事で結果を出している人は若い時に死ぬほど働いている。

若いうちに出た差は簡単には取り返せない。

死ぬこと以外かすり傷のアンサーソング

この本は、赤パート『死ぬこと以外かすり傷』(以前に出版された本)とそれに対する反対側面の意見『かすり傷も痛かった』が書かれている。
『死ぬこと以外かすり傷』の内容も全て入っているので、2冊分の濃度になっている。


『死ぬこと以外かすり傷』の内容としては、これから仕事を頑張っていきたい人に向けた内容が詰め込まれている。
出版当時の著者のギラギラした感じが文章から伝わってくる。

このパートを読んだ時、自分の仕事量がどれだけ少なかったか思い知らされる。自分が限界と思っていた仕事量は、著者のそれとは比べ物にならない。

一方、『かすり傷も痛かった』パートでは、著者が頑張った先で少し疲れた人に向けたエッセイのような内容になっている。

『死ぬこと以外かすり傷』で進んで行った先に何が待っていたのか。

その答えが、『かすり傷も痛かった』に詰め込まれている。

行き着いた先の「脱競争論」

その中に書かれていたのが「脱競争論」

競争社会に疲れ、行き着く先として「脱競争論」があったとのこと。

若いうちは死に物狂いで働き、結果を出し、さらに大きな仕事に挑戦する。最初の結果が出ているうちは良かったが、さらに結果を追い求めることにより、心身ともに疲労が蓄積される。
次第に競争することに価値を見出せなくなっていく。

ここで言っているのは、「脱成長」ではなく「脱競争」。
別に成長しなくて良いと言っているわけではなく、誰かが決めたルールの上で戦う「競争」を続けていると、いつのまにか自分を見失ってしまう。
疲労が蓄積されているにも関わらず、走り続けないと行けない状況になってしまうということ。

著者は競争を続けていても幸せにならないことを知り、自分の道を作っていくことを決めた。

とことんやる経験は必要

自分はこれまで仕事を頑張ってきた方と思っていたが、『死ぬこと以外かすり傷』(赤パート)を読んだ時に、まだまだ足りていないと感じてしまった。

なので、どちらかというと赤パートの方が好きな内容ではあった。

著者も突き進んだ先で気がついたことであるのは間違いないので、とことんやる経験は必要と思う。

ただ、『脱競争論』のところでも書かれていたように、その道が競争を続けないと行けない道なのかは考える必要がある。

反省しながら生きていく

結局のところ、突き進んでは振り返っての繰り返しなのだと思う。
夢中になっている時は周りが見えなくなるので、少し疲れたと思ったら休んで振り返ってみるのでもいい。

どうせ間違いもしてしまうのだから、その都度反省してまた進んでいけばいい。



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