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『怪獣人間の手懐け方』 - クセの強い人と仕事でどう関わるか

人は身の回りの環境、関わる人で変わる。
誰しも自分の人生に影響を与えた人がいるはず。

怪獣人間(すごい人)と関われば、その熱量に促されて自分の常識も変わっていく。

そういった人とどう出会えば良いのか、どう関わればいいのかが、この本には書かれている。

著者は編集者という仕事を通して、さまざまな怪獣人間(すごい人)と関わってきた。

「運が良かっただけ」では片付けられないほどの努力で怪獣人間に積極的に関わり、また仕事として関係を続けられるように憑依的に相手のことを考える。

その経験で培った考え方は、日頃コミュニケーションで悩んでいる社会人(特に若手社会人)にも参考になるところがある。
「自分より年上の人との関わり方がわからない」、「取引先相手とどう関わっていいかわからない」などの悩みにも助言している。

「怪獣人間」とは関わることは少ないが、本書では「プチ怪獣人間(うざい上司、クセの強い取引先など)」とどう関わるか具体的な方法も書かれているので、ここはすぐに実践できそうな内容と感じた。

怪獣人間の前にプチ怪獣人間を手懐ける

怪獣人間と関わるのは、運もあるのでなかなか確率的には難しいところだが、プチ怪獣人間に関しては、身の回りに誰しもいるはず。

怪獣人間と会える努力はしたいが、今の場所でプチ怪獣人間に足を引っ張られる、そっちに気が向いてしまって身動きだとれないという悩みはあると思われる。

なので、個人的にはまずはプチ怪獣人間を手懐けるところから始めてみるのが良い気がしている。

うざい上司はとにかく褒めろ


YouTubeにも同じ内容が投稿されているが、上司に限らず「自慢話が長い」といった社員はどこいでもいる。

まずは、そう言った人の心情を考えてみる。
本書では以下のように書かれている。

自信があればいちいち自分の手柄をひけらしかりしない。周りから褒められて満たされていたら会社の部下にアピールしたりする必要はない。

怪獣人間の手懐け方

恐らくそういった人は、自分が思っている実績以上に他人から評価されていない。それを満たそうとしているのだろう。

なので、こういった人に効果的なのが、「褒める」ことである。

褒めることで相手は自分のことを「いいやつ」と思うようになるので、いやがらせをしてくることも減るだろう。

「褒めてくれるやつ」は貴重な存在なのだ。他に褒めてくれる人がいない状況の中で、そんな貴重な存在を自分から消そうとする人はそういない。

加えて、これは特に若手が被害に遭いやすい。
会社で上下関係は存在するもの。自分にプライドがある人は上下関係を気にする。
特に新入社員など新しくその環境に入る人は「一番下」と目をつけられる。

どうせ標的になるのであれば、「褒める」ことで後々自分の立場が有利になるように進めて行った方が得策だ。

仕事の速さを褒める

実際にどう褒めた方が良いのか。
どんな人でも突き詰めれば褒める箇所はある。

ただ、そんな人の褒める箇所を考えるのが時間の無駄と思う場合は、
仕事の速さ」を褒めることが手っ取り早い。

  • 「もうできたんですか?」

  • 「先にやっといてくれたんですか?」

  • 「うそでしょ、速すぎでしょ」

若手の自分がやったら時間がかかることを、光の速さでやってのけてくれたという具合のリアクション。

仕事の内容はクソでも速さだけは褒める。

仕事の内容は、後々他の社員が評価する場合があるので下手に褒めることはできないが、速さに関しては周りの一部しか知らないので、適当に褒めても後で損をすることはない。

あとは、驚くことが重要。
これだと上から目線にならないので、年上相手にも使える。

実践してみた結果

そんな感じで最近この方法を実践してみたが、かなり効果的だった。

自分が年上の社員に仕事を協力してもらう場面で、早速してくれた仕事に対して、「え?もうできたんですか?」を使ってみた。

相手は自分の力で手助けになったということが嬉しかったようで、なぜか積極的に他の仕事にも手を回してくれるようになった。

いつもそんな簡単にいくわけないと思うが、これは積極的に使っていこうと思う。

あと気がついたこととしては、自分としても褒めることが苦になることはなく、「自分の心が広くなったな」と感じることができた。

少しではあるが、プチ怪獣人間を手懐けられるのではと思ってしまった。

怪獣人間の手懐け方

本書には、こういったプチ怪獣人間の手懐け方が他にも書かれているが、
その根幹となる怪獣人間の手懐け方の考え方も面白かった。

怪獣人間は何を大切にしているか、コミュニケーションの根幹となる「相手のことを考える」ことについて、濃密に書かれていた。

怪獣人間を手懐けることができれば、プチ怪獣人間なんて可愛いものだ。


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