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サクラバ・ユウ・ショー 第3話

第3話


 サクラバ・ユウがいたからこそ今生の世に別れを告げずにいられた者も少なくない。
 この頬の痩せこけた髭おとこもユウと会っていなければ今ごろ自宅でだれにも発見されず硬くなっていたかもしれなかった。孤独を求めて夜のひと気少ない街路を彷徨っていた彼を昼の世界に引きずり出したのは幼なじみの肥ったおとこだった。
「魂を癒してくれるのは海でも公園でもない。甘いものを食べて気力を付けようじゃないか。いや、なによりあそこには、あの子がいる。因果なことに、きみとも友達のはずだよ。ホッホ……」
 幾何学の街を幾度も折れてそぞろ歩きの末に二人は山手地区のサロン・ド・テにたどり着いた。
 向かい合って座った。あたたかい紅茶を口に運んだ。三段プレートのケーキスタンドが運ばれてきて、小さなサンドイッチや、マカロン、シュークリーム、フランボワーズのムース、マンゴージュレ入りのサヴァランなどを眺めた。肥ったおとこが手に取って食べ始めた。憂鬱だった髭おとこもあとに続いて一口かじると目を見開いた。これはレモングラスのクリームを挟んだエクレアだ。生地はぱりっと焼けていて、チョコレートのコーティングはほろ苦く、レモングラスの香りがただよう。レモン色のクリームは見た目にも甘酸っぱい。
「初恋を思い出すよ」
 即興の歌が唇から漏れ出る。

 オー エクレール エクレール
 心の稲妻
 花の街角 窓辺のお嬢さん
 エクレール エクレール
 エクレール
 ランランラン……

 歌をうたえば彼女は現れる。
「エクレア好き?」
 ユウはいつだって神出鬼没だ。歌の咲き継ぐかぎり、だれもがどこかで出会うのだろう。今日は彼の前にぴょこと顔を出す。
「はっ……ユウさんじゃないか。こないだまでは街にいたのに。最近見なくてさみしかったよ!」
 もう一人も挨拶した。
「長らく会っていなかったね、素敵なお人形さん? ホッホ……」
 小さな少女は、弾けるような笑顔を返した。
「美味しい? ここのお菓子は、食べた人を元気にさせるんだよ!」
 それで、おしゃべりが弾んだ。
 はじめ、痩せた髭おとこは夜な夜な悩まされている幻覚の話をした。満月の夜にひと気ない街路を歩いていると髪の長い巨大な絡繰人形の人影が浮かんでいたのだと主張する。おそろしいものを見てしまって背すじも凍ったのだと。
 肥ったおとこは真顔になって制して、ちがう話をしようじゃないかと提案した。
 ユウの顔はころころと変わる。砂浜に寄せて返す波のようにさまざまな表情を見せた。爽やかに笑ったかと思うと、顔を膨らませたり、急にびっくりしたり、自慢げに調子づいたりした。
「じゃあ忙しいから、戻るね!」
「ありがとう。楽しいひとときを過ごせたよ。すっかり元気になってしまった。次にまた会えるように鬱になっておかなくちゃな……」
「今度は入道雲のなかで会おうじゃないか、ホッホ……」
 痩せた髭おとこは胸元で手を名残惜しそうに振っていた。
「いつまでも友達でいてくれるかい」
「もちろんだよ、ムッシュー」
 彼の顔に色彩が戻ってきたのは、お菓子のためだけではなかった。

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 一階のサロンに膨らんでいた平和な時間にいかんともしがたい亀裂が入ったことを最初に察知したのは鳥たちだった。店外から監視している鳥、路上で歩く鳥、電線で眠る鳥。無数のロリキートやコカトゥーたちがぎゃわぎゃわと喚いている。
「ここがあの人形のハウスね~~~~~~!」
 何者かがそう叫ぶと、鳥たちは驚いていっせいに飛び立ち家々の屋根へ避難した。
 金色に光る髪の毛をなびかせて建物のファサードを指さしている者がいる。碧咲だ。ヘキサD、と今なら呼んでもいいかもしれない。
 カメラを担いだ相棒の方をチラ見しながら、サロン・ド・テの名前を口にする。
「ふん……《ハナエ・サバレス・カイエ・ムエルタ》っていうのかい。贅沢な名前だねぇ。今からお前の名は『サバ』だよ! いいかい、サバだー!」
「そこはハナでいいだろ!?」
「サバー!」
「ハナ!!」
「やだー」
「やだじゃない」
「だいたいなんでこんなに名前が長いのかしら。一発で覚えられない店名ってそれだけで損してると思わない? 経営上不利だよね~」
「覚えにくい名前でも問題なくやっていけるのだろう。あるいは、覚えてほしくない相手がいるんじゃないか。来てほしくない顧客層というか……悪いけど、これ以上は言わせないでくれ」
「えっ、どういう意味?」
 きょとんとする碧咲の顔と、肩を露出したラフな姿を、ジノはカメラで映している。
「…………」
 アポなしで店内へ進入した。
 二人は息を呑んだ。しばらくは内装に見惚れていた。豪奢なシャンデリア、みずみずしい花が活けてある花瓶、壁にかけられた小品ながらも趣味のいい風景画、にぎやかに人、人、人……甘い匂いと焼けたパンの香ばしい匂いも漂ってくる。
 奥のほうを見やると、やや薄暗い深海めいたゾーンが広がり、砂浜より白いつややかな一枚カウンターが湾曲してうねり、珊瑚礁を模した背もたれの奇怪な椅子が一定の間隔で並んでいる。ワイングラスの一瞬の光。
「よし、ユウちゃん探す前に食レポすっか」
 碧咲はテイクアウトカウンターに並んだヴィエノワズリーを手づかみで喰らいはじめた。
「えっオイ」
「むひゃむひゃ……んー……めっちゃでりしゃす!」
 カメラを回しているジノはできるだけ喋りたくないらしい。空いている手を振り、眉間にしわを寄せてみせた。
「ごめん、私いま、頭おかしいので」
「……!?」
 店内が騒がしくなる。
 黒い顔の小さな女の子の店員が出てくる。
 やめて、だめ……と小さな声を発しながら、碧咲の周りをうろうろしていたが、露骨に無視されたので、どこかへ退散した。
 碧咲はどんどん食べていく。ずっとお腹が空いていたのだ。
 焼き色の美しいクロワッサンに始まり、りんごのコンポートを詰めた半月型のショソン・オ・ポム、ポテトとカマンベールチーズのキッシュ、大きくカットされたダークチョコレートの埋まったチョコレートチャンクスコーン、パリパリとした層のパン・オ・ショコラ、耳まで柔らかそうなフレンチトースト、抹茶のカヌレ、糖液のかかったクグロフ、ほうじ茶のブラン……
 次から次へと胃に収めていく。膨張してやまない深遠な宇宙と化した彼女の胃袋のなかではすれ違うハレー彗星でさえ粉砕されて即効性の強力な胃薬に変えられてしまうのだ。
「パンばかりじゃなくて、ケーキよね、ケーキ。あのガラスケースの中の建築……」
 と、言いかけたところで碧咲は何者かに肩を掴まれる。
 肩に指が食い込んでいる。めりめりと。
「そこで、何をしている」
 振り返る。巨大な女が立っている。
「うわっ……でかっ!」
 ゆうに2メートルは超す大柄な身体にたくさんの宝石を身に付け、この店では「マダム」の名で通っている、サービス担当の女、ハナエ・サバレスとは彼女のことである。
 マダムと呼ばれるにはまだ若い風貌をしている。銀のブレスレットや、宝石の指輪を嵌め、首からは重そうなロングソートワールがかけられている。
 眉がピンと伸び、花瓶のように冷たい顔をしている。

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 手を碧咲の肩から外した。
「何をしているかと聞いている。答えによっては、許してやらんこともない」
 最後通牒だった。
 碧咲はへらへらしている。
「もぐ……宣伝してあげてるんです。この店の商品を」
 拳が飛んでくる。暴力を避けることなら碧咲にとって容易いはずだった。が、リーチの意外な長さを読み切れずぶん殴られてしまった。
「はやい」
 思わず感心するカメラマン。碧咲はドアまで吹っ飛んだ。
 宝石で殴られているようなものだった。
「い、痛いよ~!」
 意思とは無関係に涙が流れ出る。
「成金を見せつけられて、二重に痛いよ~!」
 マダムはやれやれと碧咲に近づく。がっちりとマウントを取って逃げられなくしてから、クズ野郎のテレビマンを一方的にタコ殴りし始めた。
「ちょ、待って、ジノ! 助けて! いった、いたい、ちょ、友達でしょ!? ねえ!! たすけ……」
「どうしよう? テレビとしての面白さを追求しようかな」
 距離を保ったまま撮り続ける。
「そ、そんな……きゃあ~!」
「……よいこちゃんのアンヘルナダルが豹変し、真夜中はサタニカライズと名を変える。バイオレンスなアニメから下劣なショウまで。それがサタニカライズなのさ……知ってるだろ……いいぞ、もっとやれ……体を張ってテレビを盛り上げる友人のすがたは頼もしいな。取れ高たくさんだ。でも何に使えるというのだろう、こんなの」
 ジノはこんなの(同僚のやられっぷり)を撮り続けている。
 近くでは「見せ物じゃないヨ……」と黒い顔の小さな店員が手をバタバタさせながら、お客さんが心配そうに見物してくるのを制したがほとんど甲斐なかった。
 マダムは文字通りの無法者をけちょんけちょんのコテンパンにしサバ折りしミウラ折りにし玉結びにしたのちホモロサイン図法にして立ち上がる。
 カメラに迫ってくる。
「お前も仲間だな。何しにきた」
「ユウさんに用事があってね」
「なに、ユウをどうする気だ!」
「友達だから会いに来ただけだ。こいつの件はあやまる。ユウと久々に会えると知って興奮したんだろう。お金はあとで払うからどうか許してほしい」
「許してほしいだ? そんな態度で言うことか? まずそのカメラを止めろよ」
「うーむ、許してくれなくてもいい。ユウに会いたい」
「お前らには合わせない。いや、それどころか二度会えないのだ。なぜって今からお前たちを警察に突き出すのだからな」
「あーあ、ポリ公は嫌いだよ」
「あ、そう……じゃあ警察には突き出さない。その代わり……」
「……その代わり?」

 二人はサロンの地下にある監房にぶち込まれた。
 なんでそんなもんがあるんですかね。


  *


「なんで、あんなことをしちゃったんだろう」
 碧咲は冷たい監房に横たわっている。
 ぶち込まれてからどれだけの時間が経過したのだろう。腕時計を鬱陶しがって付けないタイプの自分を呪った。もう一晩経ったのかもしれないし、あるいはまだ一時間しか経っていないのかもしれなかった。
 ジノはどこかへ行ってしまった。と、いうのも監房にぶち込まれてまもなく、あの黒い顔の少女がやってきて、ルカと名乗り、ジノだけを連れて行ってしまったからだ。たぶん罪の軽さのために解放されたのだろうと碧咲は考えた。
 監房は狭かった。立ち上がることは不可能だった。なぜなら高さは50センチにも届かず、奥行きも大人二人が横になると埋まってしまうほどのスペースしかなかった。だから監房には、ぶち込まれるというより、自ら横になって入っていったほどだった。 
 大量のワラジムシや南京虫が湧いてきて、碧咲の太ももを這い、服の裏に隠れ、髪の毛を齧る。陰気な虫たちは眠りかけの碧咲の夢までもを齧って食い尽くしたので彼女は眠れなかった。
 冴えた眼前に冷たい石の天井が迫っている。無機質な重量感がおそろしい。今にも天井と床の石のあいだですり潰されてしまいそうな気がして神経を昂らせた。
 しかしもっと恐ろしいことに、冷たい床にいると、魔界の記憶がよみがえってきた。かつてあそこにいたのだ、あの呪われた澄みわたる大地に。
 空はいつまでも重く、大地はどこまでも黒い。彼女は逃げていた。逃げて逃げて逃げ、逃げるのに疲れると大地に横たわった。吹きすさぶ風のなかで夜を明かした。

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 彼女の持ち物は少なかった。
・枕
・了津勘吉の目覚まし時計
・無限に酒が湧き出る不思議なストロング缶チューハイ
 これだけ。
 夜はストロング缶を飲みまくり恐怖を吹き飛ばした。じゃないとやってられない。幻覚が見えてくるまで飲んだ。桃色獣園曼陀羅ことピンクのZOOを見るのはしょっちゅうだった。
 たとえばこんな幻覚。
 上半身と下半身が赤と青の2色に分かれた獅子があらわれる。一瞬の間に赤と青が入れ替わり点滅しつづける。獅子が前足からパンを生みだし、碧咲に手渡す。もらおうとして手を伸ばすと、獅子の前足に空洞ができた。そこから別の獅子がニューっと出てきて、大きくふくらんで、碧咲を一口で喰ってしまう。するとまた目の前に赤と青の獅子がいて、前足からパンを手渡す。今度は受け取らずに見ていると、パンが膨らんでいき破裂する。
 粉々になったパンのかけらは、ふわふわと雪のように舞い落ちる。それらの一個一個がペンギンだ。ペンギンの鼓笛隊が碧咲のまわりを行進しはじめる。すばらしい音色だ。音の色が見える。音が尻尾を引いている。
 朝は朝で、了津勘吉のボイスで起こされる。
《ほげぇーーーッ!!!寝坊したーーー!!朝だ、起きろーーーー!遅刻するーーー!!!お前も早く起きろ!!!》
 う、うるさい。目覚まし時計を止めようとするが目が開かない。手をバタバタさせる。が、届かない。もたもたしているうちに了津がまた叫び始める。
《ほげぇーーーッ!!!寝坊したーーー!!朝だ、起きろーーーー!遅刻するーーー!!!お前も早く起きろ!!!》
 だれかこの目覚ましを止めてほしい。寝ている間に蹴飛ばしたのか知らないが、たぶん遠くにある。了津の叫び声が大きいため近くにあるような気がするのだ。
《ほげぇーーーッ!!!寝坊したーーー!!朝だ、起きろーーーー!遅刻するーーー!!!お前も早く起きろ!!!》
 ホゲーホゲーうるさい。
 碧咲はへとへとになりながら了津勘吉の場所を捉えた。
 叩こうとすると了津は、碧咲が今までに聞いたことのない声を、一度だけ放った。
《げぇーーー部長ー!!?ごめんなさーーいッ!!!》
 ボガァァァァァァァァァン!
 爆発。了津勘吉の目覚まし時計は粉々になり、大地に炎が上がった。
 足もとに袋が落ちていることに気づく。それはパンだった。栄養も何もあったもんじゃないような貧乏人のための菓子パン。夢で貰ったやつだと思い、泣きながら喰らい付いた。
 魔界には魔界の論理があり、その中で逃亡を続けた。

 *

 靴の音がひびいて彼女の夢想を掻き消す。
 マダムが石の階段をやや屈みながら下りて来て、碧咲の前でしゃがんでのぞきこむ。
「おい! 実験台にしてやる……ケーキの新作の実験台にな」
 にやりと笑って碧咲を解放する。
「たくさん食べるやつは嫌いじゃないぞ。嫌いじゃない? とんでもない、まさしく大好きなのだ。ある意味、感動したといっても過言ではない。少なくとも、お前の会いたかったやつを連れてくるほどにはな」
 巨大な女の背後からユウが出てきて、お盆を差し出した。
「よかったね。ハナエさんがやさしくて。ヘキサちゃんも反省したんだよね?」
 碧咲はケーキに目もくれずユウに飛びつく。お盆が落ちて音を立てる。再会の喜びに彼女は恥も外聞もなく泣いた。
「会いたかったんだよ~~~~!!」
「大げさなんだよ!?」
 マダムは青い竜人のゆくえを不思議がっていたが、黒い子に連れられて行ったと碧咲がいうと、なんとなく納得していたようだった。
 碧咲はユウに近況を報告する。就職できたことをユウは自分のことのように喜んだ。二人はテレビの話題で盛り上がる。ユウはテレビに興味があるみたいだ。番組を作りたいから出演してみないかと探りを入れる。出たい、とユウは真剣に答える。
 だが、それを聞いていたマダムは断固斥ける。
「ユウはここで一生働くし一生私といる」
「でもユウちゃんは流星島みんなのお友達なのよ? 家族でもないでしょうに」
「でも、いるのだ。そうだろう、ユウよ? 今度一緒にお菓子を作るんだからな」
 ユウは二人の顔を見ながら、もじもじしていた。
 みんなで階段を上る。
「この地下空間はもともと監房なんかではなかった。宝石庫だったのだ。そして私は……ここを守る存在だったのだよ」
「宝石庫を守る存在?」
「ゴーレム、と人は呼んでいる」
「あっ……ふーん」
 碧咲はあえて話を広げようとしなかった。
 そして喧騒と暖気が戻ってくる。ふたたび一階のサロン。
「さて、意地でもケーキの新作を喰ってもらうからな。まだ帰るんじゃないぞ!」
 碧咲は隙を見て、ユウを連れて逃げようとする。
「キラァツ。待て! どこへ行くのだ!」
 碧咲はぎくっとして硬直したが、急に振り向いてマダムの背後を指さした。
「あーっ!? 野宮魔貴がアザラシ抱えて歩いてるーっ!!」
「ふん、そんな手は通用しない」
 サロンがにわかに騒がしくなる。一匹のゴマフアザラシを抱えた野宮魔貴が席に着いたからだ。
「こんにちは。野宮魔貴です」
 キラッ。碧咲に会釈し、マダムにも一礼する。
「ほんとうにいた!? トーキョーじゃなくて夜でもなく七時でもないのに!? 年を重ねてもオシャレじゃないか……あっ、いらっしゃいませ」
 その隙に碧咲は猛ダッシュで店内を出た。ユウを担いだまま閑静な通りを走る。
「ユウちゃん、誘拐してごめん! 今の私にはあなたが必要なんだ~!」
 ユウは自力で走れるよと伝え、そのようにする。
「私にも今のヘキサちゃんが必要なんだよ」
 それから告白する。ハナエは過保護であり自分を無理やり束縛していること。外出は許されるがだれの家に行くことも禁じていること。そして……
「あっ、どうしよう。門限やルールを破ると、こわいこわいゴーレムの姿になって暴れちゃうんだった」
 んでもって。
「待~~~~~~~~て~~~~~~~~~~!!!!!」
 塵埃を巻き上げて、巨大化したハナエが路肩の自動車を踏み潰しながら追いかけてくる。
 テレビに出たらやりたいことがある、とユウは胸の内で育んでいた夢を打ち明ける。
 碧咲はうなずく。きっとできるよ。なんてったって「流星島みんなのお人形さんでありお友達」なんだから。
 そして真っ直ぐ前を見据えながらつぶやく。
「もっといい世界を見せてあげる」
 後方から石の礫が飛んでくる。ゴーレムとの距離は次第に縮まっていく。

(ツヅク)



 

 

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