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【初心者向け】 鯛の三枚おろし きれいにさばくコツ。

プロの料理人や仲卸の方のように手早く魚をさばくのは難しい。

そこで最近は手際にこだわらず刺身を引く際に支障がない程度におろせるこの手順でさばいている。

今回は中型と呼ぶには少し小さめの450gほどの小ぶりな真鯛。小ぶりだからアジと同じようにおろせるかと思いきや、鯛の骨はとても硬いのでそうもいかない。

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まずはウロコを引く。背びれ、腹びれ、尾びれのキワは包丁でしっかりと取り除く。これをやっておかないと三枚におろす時に包丁が身に入っていかない。

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そして内臓を傷つけないよう胸ビレの脇に斜めに包丁を入れる。

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裏側も同様に。ここまではアジの手順と同じ。

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鯛のを表に返し、中骨の軟骨部分(白いボール状の部分)に刃元を当て包丁の峰をトンとたたき頭を切り落とす。軟骨にうまく刃を当てないと切れないのがアジとの大きな違い。

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肛門から逆包丁でお腹をひらく。

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頭と内臓を一緒に外す。

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大きなものをさばく時はアゴまで開いて内臓を取り出すが、今回は大きくないためこの方法で。

お腹の膜を切り、

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中骨の上の膜にも包丁を入れて、

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骨についた血合いを刃先でこそげとり、ブラシなどで手早く洗う。

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洗い終わったら水気をしっかりと拭く。

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背びれの少し上にラインをひき、包丁を入れるきっかけを作る。

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中骨の上ピタリとのるように刃を入れる。身を少し持ち上げて下に中骨が見えていれば刃の位置はOK。

背の側からの包丁の入れ方が分からない場合は中骨が見えている頭の方から入れれば間違いない。

※実際このように身を持ち上げると身が割れるので気をつける。

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包丁をいれたら、骨の上にピタリと刃をのせたまま(貼り付けたままと言った方が良いかもしれない)左手で中骨とまな板が並行になるように軽くおさえ、右手の力を抜きながら尾に向かってひく。

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力を入れずに包丁を引く作業はその感覚が分からず慣れるまでに時間がかかった。力が入ると包丁の角度が変わり中骨に身がたくさん残ったり、身に傷が付いたりとあまり良いことがない。

とにかくコツは両手ともに力を入れないこと。重複するが左手もあくまで魚を支えているだけの力があればいい。

そうすれば、たとえ何度包丁を入れても大きく身は崩れない。

次に中型の魚をおろすときに苦労するのが上身を外す作業。

最初に習う三枚おろしの基本で言うと、包丁を尾から頭のほうに向かって進め、腹骨と血合い骨を切り離すという手順。

技術と経験があれば血合い骨と腹骨のつなぎ目にすっと刃が入っていくのだが、自分のような素人にはこれがなかなか上手くいかない。

刃を進めようとしても骨に刃が当たって切れず、身がまな板からズレてしまう。左手でずれないように身を強く持ちすぎてしまうことも。それを何度も繰り返していると美味しい身が切れたりしてどんどん傷んでくる。

そこで今はお腹の内側の骨の位置を確認しながら包丁を入れることにしている。

刃を当てている部分が中骨と腹骨の継ぎ目のスタート地点。

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ここに切先を刺す感覚で刃先を入れる。上手く継ぎ目に入るとザクッと音がしてすっと刃が入る。

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刃の角度は写真だと分かりづらいけれどこんな感じで。中骨はまっすぐ平らではなく(魚の大きさや種類によって違うが)硬い骨が斜めに出ている。

ご参考までに、これはおろした後の骨の身を取り除いたもの。頭側から尾に向かって見ている。

V字に骨が出ているのがわかるだろうか。

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上身を取った状態で包丁の進め方を見るとこんな感じ。腹骨までは刃を寝かせて中骨の上を切先が通るように。

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腹骨に当たったら少し刃を骨の角度に合わせて浮かす。

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こんな感じで上身は終了。

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下身も同様に今度は腹側から包丁を入れておろす。

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これも頭側から見えるので、中骨のぎりぎりに包丁を入れるのは比較的簡単だ。

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中骨に刃先全体がペタリと包丁をのせて、右手の力を抜きながら手前にひく。

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腹側も表側と同様に包丁を入れ、腹骨を切り離すときは、お腹の中側から腹骨の付け根に包丁を入れる。

この時中骨から飛び出た骨の角度合わせてに包丁を少し浮かせると刃が入りやすい。

このラインに。

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骨を切り離したら、骨のついた身を剥がすように丁寧に包丁を入れて

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尾側の身を切り離せば三枚おろしの終了。

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職人のように手早く美しくとはいかないけれど、これくらいであれば刺身にしても差し支えない。

腹骨をすき、全体に薄く塩をして15〜20分置いて水分を拭き取り、今回は湯引きにしてワサビ醤油で。

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骨とアラはグリルで焼いてからごはんに炊き込むと、身はなくても、鯛出汁の旨みたっぷりの炊き込みごはんになる。

1kgの鯛をさばくときはコチラをご参考に。
腹骨を外す、頭を落とすのが苦手な方はぜひ。
【ゆっくりさばく】真鯛の三枚おろし