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アンドロイド・イン・ワンダーランド

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5分で読める短編SFを掲載しています。 AIが管理する超管理社会の片隅でバーを経営するアンドロイド・アリス。そこが政府管理外区だからか、アリスの特殊能力のせいか、いつもバーには厄…
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#妖怪

繰り返す炎

 遠目に見ても夜のMシティは煌びやかな工業都市だった。世界の工業製品の大半を製造し出荷す…

kitaryuto775
3年前
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いしきたちのいくところ

 ロバートはタバコの箱を受け取ると先ず中をあらためた。紙に巻かれたタバコが5本入っている…

kitaryuto775
3年前
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ニューのっぺらぼう

 ドリームシティがすっぽりと影に覆われた。見上げる空には島を覆い尽くすほどのドローンが浮…

kitaryuto775
3年前
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金色のイデア

 すり鉢城のドリームシティの中央には井戸がある。井戸といっても水を汲むためではなく、ここ…

kitaryuto775
3年前
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量り売り

 その男はスネークと名乗った。名前の通り蛇のような目をしていた。誰もがそう呼ぶから、自分…

kitaryuto775
3年前

命の水

 アリスは目の前のショットグラスのウィスキーを一息で飲み干すと次を頼んだ。目を横に向けれ…

kitaryuto775
3年前
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スパイアイズ

  軒先に下がる何本もの氷柱が陽光を浴びて輝いている。店内の床には光が模様を描き、暖炉の前に寝そべるグレイハウンドの腹をまだらに染め上げていた。  アリスは雫が映し出す光線の動きを眺めながら、カウンターに並んだ電子マティーニを味わっていた。ひとくちにマティーニといってもレシピは複数存在し、ベルモットの種類や配合によって味が大きく変化する。それだけに腕と知識が試される一品である。だからアリスなりのマティーニを作り上げたいと思い、いくつものレシピを試していた。  だがアリスは

ロック、ダブルで。

 犬がバーの入り口に向かって唸り声を上げた。  アリスはふと思った。  人間はなぜ犬に名…

kitaryuto775
4年前
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