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アンドロイド・イン・ワンダーランド

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5分で読める短編SFを掲載しています。 AIが管理する超管理社会の片隅でバーを経営するアンドロイド・アリス。そこが政府管理外区だからか、アリスの特殊能力のせいか、いつもバーには厄…
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#月

エピローグ アンドロイド・イン・ワンダーランド

 酒場はいつもと違う喧騒に包まれていた。その理由は誰の目にも明らかだ。カウンター越しにバ…

kitaryuto775
2年前
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ルナシティの暑い日

 アリスは遠くに第501坑のドームを認めるとその場に跪いた。目の前には地下坑道に続く非常口…

kitaryuto775
2年前
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野獣復活

 オスティアリウスはジュノーに向けたアンテナを月上空に残すと、ゆっくりと第501坑に降りて…

kitaryuto775
2年前
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本当の偽物は本物か

 アリスのバーにふらりと訪れた男はマーレイだった。マーレイはルナ解放戦線のリーダーだ。か…

kitaryuto775
2年前
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ハードファイヤード

「まずい」  アリゲーターはグラスを机に置くと爬虫類のような目でアリスを見据えた。  ア…

kitaryuto775
2年前
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ダブルネーム

 暗がりからすっと現れたのは女性型のアンドロイドで名はジュピターといった。長くしなやかな…

kitaryuto775
2年前
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ルナシティの夕暮れ

 ルナシティにアリスが到着して一年が経つが、夢郎の行方はようとして知れなかった。意識転送した夢郎はここに身を潜めているという確かな確信があったが、情報はほとんど無く、旧式の設備しかない月面の街で百万人の中から一人を見つけるのは困難を極めた。  ルナシティはプトレマイオスクレーターの中心に作られた人工都市だ。時々深宇宙からやってくる隕石を避けるため、地上にほとんど建物は露出しておらず、地下に向けてバベルの塔を逆さにしたような階段状の穴がいくつも掘られ、壁際から四方八方に無数の

KUNEKUNEーアンドロイドの夜明け

 星々が回っている。連日電子ウィスキーの飲み続けであらゆるセンサーが異常値を示しているせ…

kitaryuto775
2年前
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