猫化⑪

昼間の暑さが
日の傾きによって
薄れ始めた夕暮れ

涼しくなったソファーの上で
沈んでしまった
夕日の淡さを
ただ
ただ
ご主人様とこの眼に焼き付けていた

湯上がりのご主人様の
優しいシャンプーの香りが
私の心を落ち着かせた

薄着のまま
ソファーに横たわるご主人様の背中に
この爪をたてないように
そっと飛び乗る

ただ
ただ
まったりと
ご主人様の背中を占領する
愛のムチではないけれど、
ご機嫌のしっぽで
ペシペシする
ご主人様、大好き