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ある意識の苦悩ー2
人間の誕生
前回は、神が誕生して、白蛇の中に9億9万9千9百9十9の魂が入って、魚と白蛇の子供が出来るところまでであった。
今回はその先の話を。。。
白蛇の中には大蛇が入り込んでいる。つまりは、体は白蛇なのだが、様々な事を体験しているのは白蛇と大蛇の意識である。
白蛇は子供を宿しこんだ場所にじっとしている。
何が起こるか分からない。人魚はどうなるのかと見守っている。
すると、白蛇のおなかが段々と膨らみ、おなかの中で子供が育ってきたようである。
大蛇と大龍には、つなぐ力と切る力、引っ張る力と突っ張る力、風の力と自由に動く力が備わっている。
その力を使って、白蛇の中の子供をどのようにしようかと育てていたのである。
人魚の細胞を切って白蛇の細胞とつないで、白蛇の細胞を切って人魚の細胞とつないでを繰り返したのだった。
その年限は3年3カ月をかけた。
そしてドジョウの魂の数だけ、色々な形のものが白蛇のおなかに出来たのであった。
そしてそれを、近くから少しずつ、段々と生み降ろして行った。
総てを生み降ろすのに結構な日数がかかった。
生み降ろした物は、小指の先ほどの大きさであった。
そして、大龍と大蛇はこの者たちに「人魚と白蛇の間に出来た者」という意味で「人間」と名前を付けた。
そしてまた、大龍と大蛇は、この者たちが大きくなるようにと、食べ物を作っておいた。この食べ物も、大龍と大蛇の持つ、引っ張る力を使って、大きくして置いた。
生み降ろされた「人間」は、与えられた自由に動く力を使い、その食べ物を食べまくり、どんどん大きくなっていった。
99年経った時には、手のひらほどの大きさになった。
しかし、大龍と大蛇のイメージしていた人間とは違っていた。
そこで、今一度すべての人間を作り直す事として、殺して魂を大龍の中に戻し、再度白蛇の中に入れ直した。
白蛇の中では、再度、人魚と白蛇の細胞を切って繋いでを繰り返して、今度は10カ月で新しい人間を作った。
それをまた、白蛇は産みまわった。
今回の人間も、前回と同じように小指の先ほどの大きさだったが、食べ物を食い廻って99年経って、前回よりも一回り大きく育った。
これで、食べ物を食べまわると前回の時よりも大きくなることが分かったが、まだまだ大龍と大蛇のイメージした人間とは異なっていたため、再度殺して、また白蛇のおなかの中に入れ直した。
そして三度、白蛇のおなかの中で、前回と同じように10カ月かけて作り直し、また前回と同じように同じ大きさのものを産みまわった。
そしてその生まれた人間は、またもや同じように食べ物を食べまわり、99年経って、前回よりもまたひと回り大きく育った。
これまで、3回繰り返した、宿仕込みと生み降ろし、そして人間の育ち方を見て、人間を大きく育てる方法が決まり、大龍と大蛇には目標とする人間のイメージが固まったのだった。
「つづく」
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